島根県益田市、学校再編で生じた空き校舎を不登校・ひきこもり支援の拠点に転用
島根県益田市は、学校再編に伴い今春に移転する市立戸田小学校の校舎を、不登校の小中学生が通う「ふれあい学級」と、引きこもりなどの若者らが利用する「子ども・若者支援センター」の施設として活用することを正式に決定した。校舎の改修工事を実施し、2026年4月中旬からの運用開始を目指している。
学校再編の流れで生じた空き校舎の有効活用
戸田小学校は、地域の学校再編計画に基づき、2026年3月末に閉校となる市立小野中学校の校舎へ移転することが決まっている。これに伴い、従来の戸田小校舎が使用されなくなることから、市はその活用方法について検討を重ねてきた。その結果、地域の重要な社会課題である不登校やひきこもり問題への支援拠点として再生させる方針を固めた。
老朽化した管理棟を解体し、教室棟を大規模改修
現在の戸田小学校校舎は、職員室や校長室などを備えた木造2階建ての管理教室棟(1959年建設)、鉄筋コンクリート2階建ての教室棟(1981年建設)、そして鉄骨平屋の体育館(1986年建設)で構成されている。耐震性がなく老朽化が進んでいる管理教室棟については、2026年度中に解体する計画だ。
一方、教室棟については大規模な改修工事を実施し、主に1階を子ども・若者支援センター、2階をふれあい学級の施設として活用する。教室棟の延べ面積は約1000平方メートルに及び、1階の理科室からは実験台を撤去してタイルカーペットを敷設。2階の音楽室も整備し、両施設が共同で利用できるようにする。
さらに、家庭科室は調理台を更新した上で地域住民にも開放する予定だ。既存の教室には間仕切りを設置してスタッフルームや相談室として活用し、トイレの改修も行う。これらの改修事業費は約810万円を見込んでいる。体育館については、引き続き現状のまま利用を継続する方針である。
既存の支援施設を統合・拡充し、より効果的な支援を実現
ふれあい学級は現在、市内の別の場所に設置されており、益田市と隣接する津和野町、吉賀町に在住で学校に通いにくい状況にある児童・生徒約20人が登録している。学習の補充指導や教育相談などを通じて、子どもたちの社会的自立を目指す取り組みを続けている。
併設される子ども・若者支援センターは、学習支援や就労支援、そして単なる「居場所」としての機能を提供しており、主に39歳以下の約50人が登録している。今回の校舎転用により、これらの支援機能が一つの施設に統合され、より包括的で効果的な支援体制が構築されることが期待されている。
益田市のこの取り組みは、少子化に伴う学校統廃合で生じる空き校舎の有効活用事例として、全国的に注目を集める可能性がある。地域の課題解決と公共施設の再生を同時に実現するモデルケースとして、今後の展開が期待される。