都電荒川線に水戸岡鋭治氏デザインの山吹色車両が登場
JR九州の豪華列車「ななつ星in九州」などで知られる工業デザイナー水戸岡鋭治氏(78)がデザインを手掛けた都電荒川線(東京さくらトラム)のリニューアル車両が、4月16日から運行を開始しました。戦後の都電を思わせる山吹色の懐かしい車体が、東京の下町や山の手を走り抜けます。
木の香り漂う車内と精巧な木工技術
山吹色を基調とした車体の外装には、都電荒川線沿線の30の駅名が記されています。車内に足を踏み入れると、ほのかにやさしい木材の香りが漂い、床や壁、ベンチ、つり輪などが木製で統一されています。寄せ木などの高度な技巧が凝らされており、運転席の後ろには杉の組み木が設置されています。この組み木の模様越しに運転席からの車窓を眺めることができるのが特徴です。
車内はイベント時にテーブルを設置できる仕様となっており、多様な利用シーンに対応しています。水戸岡氏は14歳で初めて上京した際、山吹色の都電を見て「かっこいい。いつか都電をデザインしたい」と憧れを抱いたと語っており、今回自らデザインを申し出て、35年間使用されてきた1両の車両を生まれ変わらせました。
出発式での水戸岡氏の感慨とクラウドファンディングの活用
4月15日に荒川電車営業所(東京都荒川区)で開催された出発式で、水戸岡氏は「夢のような仕事をやることができた。私のデザイン活動の中では、最後に近い仕事の一つとして完成することができた」と感慨深げに語りました。さらに「乗った方々が、心と体で心地いいと思ってくれるような、豊かな旅が提供できればこの上ない幸せ」と目を細めました。
今回の車両改修には約3500万円の費用がかかり、全国の都電ファンからクラウドファンディングを通じて集まった787万円も活用されました。出発式の最後には、クラウドファンディングの参加者が車両に「初乗車」し、水戸岡氏や小池百合子知事が手を振りながら笑顔で出発を見送りました。
水戸岡氏がデザインした車両の現在位置は、『都営交通アプリ』で確認することができます。このリニューアル車両は、都電荒川線の新たな魅力として、多くの乗客に親しまれることが期待されています。



