過去30年間で廃止された鉄道路線は68区間1366kmに、中部では6県で277kmが消滅
鉄道廃止30年で1366km、中部6県で277kmが消える

過去30年間で廃止された鉄道路線は68区間1366キロ、全国鉄道網の約5%に相当

1996年度から2025年度までの30年間に、全国で廃止された鉄道路線が合わせて68区間、総延長1366キロに上ることが明らかになった。この期間の全国の鉄道網は約2万7千キロ程度であり、単純比較すると全体の約5%が失われた計算となる。自動車の普及が進み、少子高齢化によって地方路線の利用が低迷したことが主な要因で、地域の移動を支えるインフラが厳しい状況に直面している実態が浮かび上がった。

廃止路線の大半は地方に集中しており、全体の約3分の1に当たる497キロが北海道内で発生した。これは、人口減少や過疎化が特に深刻な地域において、鉄道の存続が困難になっていることを示唆している。

鉄道廃止の背景と制度変更

鉄道の廃止をめぐっては、2000年の鉄道事業法改正により、路線廃止が国の許可を必要とせず、事業者の届け出だけで可能となった。ただし、実際の廃止に際しては、地元自治体との協議が一般的に行われている。例えば、JR久留里線のように、事業者が廃線後の代替バスの運行費用を一定期間負担するケースも見られる。

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さらに、2023年には地域公共交通活性化再生法が改正され、国が調整役を務める再構築協議会の制度が始まった。これは、事業者と廃線を避けたい自治体側との協議が停滞しないよう、議論を促進することを目的としている。

中部地方での廃止状況:6県で24区間277キロが消滅

中部地方の9県において、この30年間に鉄道の廃線があったのは愛知、岐阜、長野、福井、石川、富山の6県である。廃線は主に2000年代に相次ぎ、合計24区間、約277キロの路線が廃止された。

鉄道事業者別では、名古屋鉄道が最も多く、愛知県と岐阜県内で13区間に上った。具体的には、2001年に谷汲線や八百津線など岐阜県内の4区間が廃止となり、2005年には岐阜市街地を路面電車で結ぶ岐阜市内線など4区間も消滅した。

最近の事例では、2024年12月に富山県と長野県を結ぶ「立山黒部アルペンルート」で運行されていた国内唯一のトロリーバス(無軌条電車)の路線が、必要部品の調達が困難なことを理由に廃止された。これは、特殊な交通手段の維持が技術的・経済的に難しくなっていることを象徴する出来事である。

地域の移動インフラの未来に向けた課題

鉄道廃止の増加は、地方における公共交通の空洞化を加速させており、住民の移動手段の確保が緊急の課題となっている。少子高齢化が進む中で、車を運転できない高齢者や子どもにとって、鉄道の廃止は生活の利便性を大きく損なう可能性がある。

今後は、再構築協議会などの制度を活用し、自治体と事業者が連携して、バスやデマンド交通などの代替手段を整備することが求められる。また、持続可能な地域交通を維持するためには、利用者ニーズに合わせた柔軟なサービス設計や、新技術の導入も検討すべきだろう。

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