日本の海洋生物学者らの研究チームは6日までに、海外から日本の海に侵入した「国外外来種」が、記録が残る江戸時代末期の1861年以降で、少なくとも112種に上るとの分析結果を発表した。この中には、カニなどの甲殻類や軟体動物のほか、養殖の魚介類に大量死などの被害をもたらす病原体や寄生虫も含まれている。また、生息域が国内で北上した例もあり、地球温暖化の影響とみられている。
外来種の侵入経路と影響
研究チームによると、112種のうち77種は、船舶の姿勢制御に使われる「バラスト水」への混入や、船体への付着などで意図せず侵入していた。例えば、タテジマフジツボやココポーマアカフジツボは、在来種の生息場所を奪っているという。また、巻き貝のカラムシロは、アサリなどの輸入水産物に混入して侵入したとされる。
専門家の懸念
奈良大学の岩崎敬二名誉教授(生物地理学)は、陸や湖、河川の外来種に比べ、海洋の外来種は侵入や被害が人目につきにくいと指摘する。さらに、「輸入や運搬などを規制する特定外来生物への指定もわずかで、対策が遅れている」と懸念を表明した。外来種は在来種を駆逐し、生態系に深刻な影響を与える恐れがあるため、早急な対策が求められる。
研究チームは、地球温暖化による海水温の上昇が外来種の生息域拡大を促進している可能性もあるとし、今後のモニタリングと規制強化の必要性を強調している。



