飲酒運転で兄を失った弟、母のNPOで撲滅活動を継ぐ決意「自分の言葉で発信したい」
兄を失った弟、母のNPOで飲酒運転撲滅活動を継ぐ (22.03.2026)

飲酒運転撲滅へ、若き力がNPOに加わる

飲酒運転撲滅などに取り組み、設立から16年を迎えたNPO法人「はぁとスペース」(福岡市東区)に、新たな若い力が加わりました。2011年に福岡県粕屋町で起きた飲酒運転事故で、二つ上の兄・山本寛大さん(当時16歳)を亡くした山本航平さん(29歳)が、先月から法人の職員として働き始めました。航平さんは、つらい記憶と向き合いながら、「飲酒運転をゼロにする」と兄に誓った母・美也子さん(57歳)と共に活動する覚悟を固めています。

家族の絆と活動の継承

法人の事務所では、5日、航平さんが飲酒運転撲滅の取り組みに賛同する自動販売機設置の内諾を得たことを報告する姿がありました。売り上げの一部が法人に寄付されるこのプロジェクトは、初めての実績として、理事長の美也子さんを喜ばせました。一方、法人職員でもある父・浩之さん(59歳)は、航平さんが准看護師からの転職を決めたことに驚きつつも、「非常に助かっている」と笑顔を見せています。

航平さんは、中学2年生だった15年前の2月10日、父から「寛大が死んだ」と告げられ、パニックに陥りました。けんかもしたが、プールでおんぶしてくれた優しい兄との思い出を胸に、兄と同じ高校に進学し、兄のワイシャツを着て通学しました。しかし、事故や兄の話になると周囲が気まずくなるため、次第に話題を避けるようになったといいます。

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悲しみを力に変えた家族の歩み

事故から約1週間後、航平さんは夢の中で兄と再会し、見守られていると感じて涙が止まりませんでした。この経験が、活動への一歩を後押ししました。一方、車いすマラソン選手の浩之さんは、事故から約2週間後の東京マラソンで、飲酒運転反対のステッカーを貼って力走し、3位に入賞。美也子さんも翌月のイベントで事故の体験を語り始め、法人の活動に飲酒運転撲滅を加えました。

現在、事務所内の工房では、コーヒー豆の焙煎も行われており、売り上げの一部が飲酒運転撲滅活動に充てられています。航平さんは、「自分の言葉で思いを発信したい」と語り、家族と共に社会へのメッセージを発信し続けています。

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