昨年9月の岐阜県本巣市議選を巡り、告示日直前に有権者へ菓子折りを配ったとして、公職選挙法違反(寄付行為)の罪に問われている現職市議、鍔本規之(つばもと・のりゆき、本名・典光)被告(77)の公判が8日、岐阜地裁(平手一男裁判長)で開かれた。検察側は罰金40万円と、5年間の公民権停止を求刑した。弁護側は公訴棄却などを求めて結審し、判決は来月9日に言い渡される。
検察側の主張
検察側は論告で、「今回の行為は買収と結びつきやすく、選挙の公明を害することは明らかだ」と指摘。有権者に菓子折りを配る行為が、選挙の公正さを損なう重大な違反であると強調した。具体的には、被告が支援者と共謀し、選挙運動の謝礼として菓子折りを配布した行為は、公選法が禁じる寄付行為に該当すると述べた。
弁護側の反論
一方、弁護側は最終弁論で、菓子折りを配ったのは選挙活動で迷惑をかけたことへのお詫びの意味であり、社会生活上許容される範囲内の行為だったと主張。被告の行為は善意に基づくものであり、違法性はないと訴えた。弁護側は公訴棄却を求めたが、裁判所が認めるかどうかは不透明だ。
被告の最終陳述
被告は最終意見陳述で、「善意でしたことが、どうして悪とされるのか怒りを感じている」と述べ、自身の行為に対する処罰に強い不満を示した。被告は長年市議を務めており、地域住民との関係を重視してきたが、今回の事件でその姿勢が逆に罪に問われる結果となった。
起訴状の内容
起訴状によると、鍔本被告は支援者6人と共謀し、昨年9月7日、市内に住む28人の有権者に対し、「選挙にかかる迷惑料」との名目で、1人当たり約2000円相当、総額約6万円の菓子折りを寄付したとされる。公選法は、選挙に関連して有権者に金品を提供することを厳しく禁止しており、今回の行為がその違反に当たると判断された。
判決の行方
検察側の求刑に対し、弁護側は無罪を主張しており、今後の判決が注目される。公選法違反事件では、罰金刑が確定した場合、公民権停止が伴うため、被告の政治家生命にも影響を与える可能性がある。地裁の判断は、選挙活動における寄付行為の線引きに一石を投じるものとなりそうだ。



