鎌倉の医療ミス訴訟で病院に賠償命令 子宮摘出の女性に1600万円支払い
神奈川県鎌倉市の湘南鎌倉総合病院(医療法人徳洲会)で受けた治療中のミスにより、望まない子宮摘出を強いられ健康被害が生じたとして、藤沢市在住の50代女性が同法人に約4600万円の損害賠償を求めた訴訟で、横浜地裁(藤岡淳裁判長)は4月15日、同法人に対して約1600万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。
治療中のミスで内臓に熱傷 複数回の手術が必要に
判決文によりますと、2016年当時40代だった原告女性は、月経時の出血量が異常に増加する「過多月経」の治療のために、子宮内に医療器具を挿入しマイクロ波を照射する「MEA」と呼ばれる治療法を受けました。しかし、担当医師が誤って子宮に穴を空けた状態で子宮外に照射を行ったため、女性は内臓に深刻な熱傷を負い、子宮や卵巣の摘出を含む複数回の手術を余儀なくされました。
MEA治療法は、過多月経に対して子宮摘出を回避できる選択肢として注目を集めており、2012年からは保険適用となっています。判決は、この子宮摘出が被告側の過失と明確な因果関係を持つ損害であると認定し、「子宮が女性の意識の中で重要な位置を占める器官である」と指摘しました。
原告女性「今後ないようにしてほしい」と訴え
判決を受けて、原告女性は横浜市内で記者会見を開き、「今後ないようにしてほしい」と病院側に強く要望しました。女性は現在も子宮摘出や一連の手術の影響により、立ち仕事や排せつに支障をきたしていると述べ、身体的・精神的苦痛を語りました。
原告側を担当する代理人弁護士は取材に対し、「病院側が、経験の浅い医師に訓練を積ませる際の監督・指導体制を見直すきっかけになれば」とコメントし、医療現場の安全管理体制の改善を求めました。
病院側はコメントを差し控え 再発防止が焦点に
一方、医療法人徳洲会は「現時点で判決文が届いていないため、コメントは差し控えます」と回答し、今後の対応については明らかにしていません。この判決は、医療ミスの再発防止と患者の権利保護を求める声が高まる中、医療機関の責任と適切な監督体制の重要性を改めて浮き彫りにしました。
訴訟は、原告女性が約4600万円の損害賠償を求めたのに対し、横浜地裁は約1600万円の支払いを命じる部分勝訴の判決となりました。今後、同様の医療事故が繰り返されないよう、医療現場における安全対策の徹底が強く求められています。



