経済安全保障推進法改正案が閣議決定、日本企業の海外展開を支援する新制度を創設
政府は3月19日、経済安全保障推進法の改正案を閣議決定し、衆議院に提出しました。この改正案の主な内容は、経済安全保障の強化につながる日本企業の海外ビジネスを、国が資金面で後押しする新たな制度の創設です。2022年に同法が制定されて以来、初めての本格的な改正となります。
海外事業への資金支援を強化、リスクの高い投資も可能に
改正案では、企業の海外展開支援を強化するため、特定海外事業として経済安全保障上重要な案件を指定します。具体的には、海上交通路の要衝に位置する東南アジアの港湾や燃料補給拠点の整備などが念頭に置かれています。
支援策として、政府系金融機関である国際協力銀行(JBIC)の出資要件を緩和し、よりリスクの高い劣後出資を認めることが盛り込まれました。損失発生時にはJBICの出資分でカバーすることを明確にすることで、企業の投資意欲を高める狙いがあります。
重要物資の供給網構築と基幹インフラの保護を拡充
半導体や重要鉱物など特定重要物資の安定供給に向けて、国の資金援助の対象も拡充されます。新たに、国際通信の99%を担う海底ケーブルの敷設・補修事業などへの支援が可能になります。
また、医療機関へのサイバー攻撃を食い止めるため、国が対策を主導する基幹インフラに「医療」を追加することが決定されました。これにより、医療分野のセキュリティ強化が図られます。
高市首相の成長戦略と連動、危機管理投資を推進
この改正は、高市首相が成長戦略の柱に据える危機管理投資にもつなげたい考えです。他国からの経済的威圧に備え、重要物資の供給網構築や国内経済の基盤強化を急ぐ姿勢が示されています。
政府は、経済安全保障の観点から、日本企業の国際競争力向上とリスク管理の両立を目指しています。今回の改正案が国会で審議され、早期の成立が期待されます。



