長野・伊那市長選で吉田浩之氏が初当選「人事と予算を最優先」、出口調査で市政評価層の分断浮き彫りに
伊那市長選で吉田浩之氏が初当選「人事と予算を最優先」

長野県伊那市長選で吉田浩之氏が初当選、人事と予算を最優先に掲げる

長野県伊那市長選挙において、元市議の吉田浩之氏が現職の白鳥孝氏らを破り、初当選を果たした。吉田氏は4月20日、伊那市内の後援会事務所で記者会見を開き、今後の市政運営について意気込みを語った。

「人事異動と骨格予算の肉付けが最優先」

吉田氏は会見で、「まずは人事異動と骨格予算の肉付けを進めたい」と強調した。人事異動については、部署の縮小や拡大も含む大規模な見直しを検討していることを明らかにした。4月からの新年度は市長選の影響で骨格予算となっているため、子育て支援や教育、高齢者関連事業の充実を図りながら、道路整備にも力を入れる方針を示した。

一方で、現状で予算が付いている政策であっても、削減する可能性があると述べ、財政面での厳しい姿勢を打ち出した。特に、移動診療車「モバイルクリニック」などの新産業技術関連事業については、「廃止を含めて検討する」と改めて表明。モバイルクリニックに関しては、医師会や利用者の意見も踏まえながら判断するとした。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

吉田氏は、「市民のための行政サービスの向上に直結しないものは慎重にしていかなければならない」と述べ、山岳観光振興などにも慎重な姿勢を見せた。また、伊那北高校と伊那弥生ケ丘高校が統合して開校する伊那高校(仮称)を機に進められてきた「官民共創の新しいまちづくり」については、民間メンバーの人選に偏りがあると指摘し、「取り組みや組織、内容を慎重に見直す必要がある」と語った。

出口調査で浮き彫りになった市政評価層の分断

中日新聞などが合同で実施した出口調査によると、16年間続いた現市政を「評価する」「ある程度評価する」とした有権者のうち、26%が吉田氏支持に回った。現市政を評価する層でも、投票先が白鳥氏と吉田氏に分かれる結果となった。

吉田氏に投票した60代男性は、「白鳥市長はよくやっているけど、長さがネック。もういいっしょ、という気持ち。政策で選んだわけではない」と語り、多選問題が影響した可能性を示唆した。一方、70代男性は、「長いという批判も分かるが、白鳥さんは吉田さんに比べ、5年、10年先を見て物事を言っている。市長が代わったら伊那は衰退するのではないか」と考え、白鳥氏を支持した。

現市政を「評価しない」「あまり評価しない」とした有権者の62%は吉田氏に、36%は他の候補者に投票した。年齢別では、期日前投票では20~40代と80代以上で白鳥氏支持が多く、50~70代は吉田氏支持が多かったが、投票日当日は70代を除く全世代で白鳥氏支持が吉田氏支持を上回った。

調査方法と今後の市政への期待

出口調査は、投票を終えた有権者にタブレット端末で投票先を入力してもらう方法で実施された。期日前投票では13~18日に3カ所、投票日の19日は市内10カ所の投票所で行われ、期日前767人、当日483人から有効回答を得た。調査は中日新聞、長野日報、伊那ケーブルテレビジョンの3社合同で行われた。

吉田氏は、「地域の皆さまのさまざまな声を拾い上げ、高校生の声も大事にする」と述べ、市民参加型の市政を目指す姿勢を強調した。新市長としての手腕が問われる中、人事と予算を軸にした市政改革がどのように進められるか、注目が集まっている。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ