国際オリンピック委員会(IOC)が、2030年にフランス・アルプス地域で開催される冬季五輪において、一部の夏季競技を冬季に移行する計画を見送る見通しであることが、29日に関係者の話で明らかになった。
背景と経緯
IOCは、昨年6月に就任したコベントリー新会長の下で、五輪競技種目の見直しを検討する作業部会を設置していた。夏季競技の冬移行は、夏季五輪の競技数が増加し肥大化するのを抑制する目的で検討されていた。しかし、冬季競技側からは「雪と氷の上で行われるスポーツの祭典としての独自性が損なわれる」との反発が強かった。
IOCの判断
29日、IOC執行部や担当幹部がIOC委員に対して説明を行い、五輪憲章に明記されている「雪上または氷上で行われる競技のみが冬季競技とみなされる」という規定を当面堅持する姿勢を示した。これにより、夏季競技の冬移行は見送られることとなった。
夏季五輪の現状
一方、夏季五輪では2028年ロサンゼルス大会で、野球・ソフトボールなど追加5競技を含め、史上最多となる36競技が実施される予定である。しかし、2032年ブリスベン大会では財政不安のため競技数が大幅に絞り込まれる見通しで、存続する競技でも実施種別や種目が削減される可能性があると関係者は指摘している。
IOCは今後も五輪の在り方について議論を続けるとみられるが、今回の判断は冬季五輪の伝統と独自性を重視したものと言える。



