西アフリカ・マリにおいて、イスラム過激派と連携して複数の都市を同時攻撃した遊牧民トゥアレグ系の反政府勢力は26日、北部の要衝キダルを制圧し、同地域に展開していたロシアの要員が撤収することでマリの軍事政権側と合意したと発表した。マリ軍政はロシアと緊密な協力関係にあり、ロシアの民間軍事会社の要員がキダル周辺に駐留していたとみられる。
軍政は反撃継続を主張
欧米メディアの報道によると、マリ軍政はキダルなどで反撃作戦を続行していると説明しており、実際の支配状況は不透明なままだ。両者の主張が食い違う中、現地の情勢は依然として流動的である。
暫定国防相が殺害される
軍政は26日、カマラ暫定国防相が首都バマコ郊外の自宅に対する攻撃で死亡したことを認めた。この攻撃の詳細や犯行声明などは明らかになっていないが、反政府勢力の関与が疑われている。
キダルの戦略的重要性
キダルは首都バマコから北東に約1200キロメートル離れた位置にある。2023年にロシアの支援を受けたマリ軍が奪還するまで、トゥアレグの反政府勢力が長年にわたり拠点としていた。同勢力は2012年に北部での独立を宣言し、その後も断続的に戦闘を続けてきた。
同時多発攻撃の背景
マリでは今月25日、反政府勢力と国際テロ組織アルカイダ系のイスラム過激派「イスラムとムスリムの支援団(JNIM)」が連携し、バマコの国際空港や中部、北部の複数の都市を攻撃した。26日も各地で戦闘が継続した模様で、今回のキダル制圧宣言もその一環とみられる。
マリでは2020年と2021年に相次いで軍事クーデターが発生し、軍政が実権を掌握。ロシアの民間軍事会社ワグネルとされる部隊が治安維持や対反政府勢力作戦で協力してきた。今回の反政府勢力の攻勢は、軍政とロシアの連携に打撃を与える可能性がある。



