東邦ガスが手がけるサーモン(トラウトサーモン)の陸上養殖が事業化2年目を迎えた。液化天然ガス(LNG)を気化させる際に発生する冷えた海水を利用し、サーモンが好む環境を整えた。前年の2.5倍の出荷量を想定し、さらなる事業拡大を目指す。
店頭で好評、品質の高さが際立つ
「脂のってます!! 肉厚で、ぷりっと食感 臭みも無く食べやすい――。」
「マックスバリュ知多新知店」(愛知県知多市)の鮮魚売り場に4月23日、東邦ガスが知多緑浜工場(同市)で育てた「知多クールサーモン」が、手書きの紹介文やポスターとともに並んだ。今年初の店頭販売で、6月中まで続ける。
前年は1日だけの販売だったが、地元で生産された農作物など「じもの」を強化している店の販売戦略とも合致するため、今年は大幅に取扱量を増やすことになった。
「品質が高くおいしい。輸入ものと比べ、輸送費がかからず割安感がある」と佐藤嘉明店長。来店客はさっそく切り身などを買い求めていた。
陸上養殖の仕組みと今後の展望
東邦ガスの陸上養殖は、LNGを気化する際に発生する冷海水を活用する点が特徴だ。通常、LNGは摂氏マイナス162度で貯蔵され、気化時に大量の冷熱エネルギーが放出される。この冷海水をサーモンの飼育に適した温度に調整し、安定した環境を提供する。
2025年の事業化初年度は試験的な販売だったが、2026年は出荷量を前年の2.5倍に増やす計画だ。同社は「地元産の新鮮なサーモンを安定的に供給することで、食料自給率向上にも貢献したい」としている。
また、東邦ガスはこの技術を他の魚種にも応用する可能性を探っており、将来的には養殖事業の多角化も視野に入れている。



