ニデック不正会計の第三者委報告書に「踏み込み不足」の評価、格付け委員会が指摘
モーター大手のニデック(旧日本電産)で発覚した会計不正問題を調査した第三者委員会の報告書について、有志の弁護士らで構成される「第三者委員会報告書格付け委員会」(委員長・久保利英明弁護士)は2026年4月8日、総合評価を「中程度」としつつ、原因の分析やガバナンス(企業統治)評価の面で踏み込み不足を指摘しました。
総合評価は「中程度」、委員間で意見が分かれる
同委員会は報告書を評価の高い順にAからD、または不合格にあたるFで格付けしており、今回のニデック報告書では、評価を行った計8人の委員のうち、Bが1人、Cが5人、Dが2人という結果となりました。これにより、全体として「中程度」の評価が与えられました。
評価のポイントとしては、不正の手口や背景事情の描写が具体的であった点が挙げられています。また、創業者の永守重信氏による強い支配と過度な業績プレッシャーが不正の原因だとした点についても、「基本的には妥当」としています。
原因分析やガバナンス評価に課題、委員長が問題点を指摘
一方で、同委員会は報告書の課題として、経営トップによる圧力がどのように会計不正に結びついたのかというプロセスの解明が不十分であると指摘しました。さらに、なぜ不正を防げなかったかという点の分析も浅く、「責任論が創業者個人に偏っている」という意見が委員間の議論で出たとされています。
久保利委員長は同日の記者会見で、「永守氏に責任があるという結論の一方、永守氏のどんな指示がどういう風に現場に下りて不正が起こったのかが明確でない」と述べ、問題点を強調しました。また、経営者の暴走を止めるべき社外役員へのヒアリングについても追及が甘く、弁解を聞くだけに終わっていると批判しました。
今後の企業統治への影響が注目される
この評価は、ニデックの不正会計問題が単なる個別事例ではなく、企業のガバナンス体制全体に課題を投げかけていることを浮き彫りにしています。報告書の踏み込み不足が指摘されたことで、今後の第三者委員会の調査手法や企業の内部統制の強化が求められる可能性があります。
ニデック側は既に謝罪を行っており、岸田光哉社長が3月の記者会見で不正問題について陳謝していますが、格付け委員会の指摘は、再発防止に向けたより深い分析と対策の必要性を訴えるものとなっています。



