福島・大熊町発の消防設備点検用ドローン開発 南相馬市と連携協定を締結
消防設備点検ドローン開発 南相馬市と連携協定

福島発の画期的な消防設備点検ドローン開発が本格始動

福島県大熊町に本拠を置く相双事業開発株式会社が、工場や商業施設などの高所に設置された煙感知器の交換と点検を自動で行う消防設備点検用ドローンの開発に取り組んでいます。同社はこのほど、南相馬市と実証実験に向けた連携協定を締結し、2028年以降の実用化を目指して研究開発を加速させています。

高所作業の課題をドローンで解決

従来、煙感知器の点検や交換には、高所作業車の手配や足場の組立が必要で、準備や撤去に多くの時間とコストがかかっていました。さらに、作業員の安全確保も重要な課題となっています。相双事業開発が開発を進めるドローンは、これらの課題を一挙に解決する可能性を秘めています。

同社の川口真史代表は、「一台で感知器の交換と点検ができる日本初のドローンを目指しています。浜通り地域で新たな産業の集積を成功させたい」と意気込みを語っています。

開発の現状と今後の展望

現在、同社の開発はすでに、オペレーターの操縦で感知器まで接近し、自動で交換できる段階まで進んでいます。しかし、屋内での飛行が主となるため、GPSなどの位置情報が取得しにくいことや、障害物の回避など、解決すべき技術的課題も多く残されています。

今後は、福島ロボットテストフィールドなどの地域資源を活用し、地元事業者との連携を強化しながら、完全自動飛行による感知器交換システムの実現を目指します。姿勢制御技術の高度化やバッテリー性能の向上にも研究の焦点を当てていく方針です。

地域に根差した企業の挑戦

相双事業開発は、2024年に総合建設会社タイズスタイルの執行役員であり、まちづくり活動にも携わる川口真史氏によって大熊町で創業されました。ドローン開発と並行して、木質ペレットの開発や広野町でのホテル経営など、多角的な事業展開を行ってきました。

同社は2025年4月に本店を南相馬市に移転し、実証実験を重ねる計画です。新田正英南相馬市副市長は、連携協定の締結式で今後の協力に期待を寄せました。この取り組みが成功すれば、消防設備点検の効率化のみならず、地域経済の活性化や新たな雇用創出にもつながることが期待されています。