松江市は、同志社大学文化遺産情報科学調査研究センター(京都府)と連携し、国の史跡に指定されている田和山遺跡(松江市乃白町)から臨む弥生時代の景観を、拡張現実(AR)と仮想現実(VR)の技術を用いて再現した。このデジタルコンテンツは一般に公開されており、誰でも体験することが可能である。
第2弾となるデジタル再現企画
市は同センターと文化財の活用などに関する協定を締結しており、今回の取り組みは、2022年に公開された国宝・松江城天守の内部をVRで再現した映像に続く、第2弾のプロジェクトとなる。再現にあたっては、遺跡の発掘調査や住宅開発に伴う試掘調査の資料に加え、自然地理学や考古学などの学術的な研究成果を基盤とし、約2000年前の風景を可能な限り忠実に再現している。
AR映像の体験方法
AR映像を体験するには、田和山史跡公園の山頂に設置された二次元コードをスマートフォンで読み取る。スマートフォンを該当する方角に向けると、環濠集落の神後田遺跡や墳丘墓の友田遺跡など、弥生時代の周辺地域の様子が画面に表示される仕組みだ。
VR映像の体験方法
VR映像は、専用のゴーグルやレンズを使用することで、乃木地区など当時の景色を立体的に体感できる。この映像は、小中学校などで行われる出前講座でも活用されるほか、ゴーグルがなくても市のホームページ上で視聴することが可能である。
老朽化した復元住居の撤去と新技術の活用
田和山遺跡に関しては、市が2024年に老朽化した草ぶきの復元竪穴住居を撤去した経緯があり、最新技術を駆使した文化財の新たな活用方法が模索されていた。市は今後、撤去した竪穴住居や土器類などの出土品についてもAR技術で再現するなど、映像コンテンツの拡充を図る方針である。総事業費は約1400万円を見込んでいる。
市史料・埋蔵文化財課の担当者は、「最新技術を通じて、田和山遺跡や地域の歴史に興味を持つきっかけにしてほしい」とコメントしている。



