iPS細胞による脊髄損傷治療、2027年にも治験開始へ 慶大発ベンチャーが方針
iPS細胞で脊髄損傷治療、2027年にも治験開始へ

iPS細胞を用いた脊髄損傷治療、2027年にも臨床試験開始へ

慶応大学発ベンチャー企業のケイファーマは2月24日、人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作製した神経前駆細胞を脊髄損傷患者に移植する再生医療等製品の実用化に向けて、早ければ2027年にも臨床試験(治験)を開始する方針を明らかにしました。この発表は同日、東京都内で開催された記者会見において行われました。

凍結保存技術の確立と社会実装への意欲

ケイファーマの最高科学責任者を務める岡野栄之慶応大学教授は記者会見で、「いつでも移植が可能となるように細胞を凍結して保管する技術を確立してきました。一日も早く社会実装を実現したいと考えています」と述べ、治療の早期実用化に対する強い意欲を示しました。細胞の製造については、ニコン・セル・イノベーション(ニコン子会社)に委託することが計画されています。

脊髄損傷のメカニズムと既存の臨床研究結果

脊髄損傷は、外傷などによって脊髄が損傷を受けることで、脳から身体への指令が伝達されなくなり、手足の麻痺などの症状が現れる疾患です。慶応大学などが2021年に開始した臨床研究では、受傷後間もない患者4人にiPS細胞由来の神経前駆細胞を移植し、そのうち2人において運動機能の回復が確認されています。この成果は、iPS細胞を用いた脊髄損傷治療の有効性を示す重要なデータとなっています。

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再生医療分野における日本の進展

iPS細胞を用いた再生医療等製品を巡っては、厚生労働省の専門部会が2月19日、重症心不全とパーキンソン病を対象とする2製品の条件付き製造販売承認を了承しました。これにより、3月上旬にも正式に承認される見通しであり、世界で初めてiPS細胞を用いた再生医療製品が実用化されることになります。この動きは、日本の再生医療分野における国際的なリーダーシップを強化するものと期待されています。

ケイファーマの取り組みは、脊髄損傷という難治性疾患に対する新たな治療法の確立を目指すものであり、今後の臨床試験の進捗が注目されます。同社は、細胞の品質管理や安全性の確保に万全を期し、患者への早期提供を実現するため、関係機関と連携を深めていく方針です。

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