工場でアスベスト(石綿)による健康被害を受け、中皮腫で亡くなった男性=当時(74)=の遺族が国に対して損害賠償を求めた訴訟で、神戸地方裁判所(島戸真裁判長)は24日、国に1430万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。
この訴訟では、損害賠償請求権が20年で消滅する時効の起算点などが主な争点となりました。石綿健康被害を巡っては、最高裁判所が2014年に国の賠償責任を認めており、国は一定の要件を満たした被害者らと和解し、救済を行っています。
しかし、今回の訴訟で国側は、男性については時効が過ぎているため賠償の対象外であると主張していました。厚生労働省は2022年、別の訴訟の内容を踏まえて救済制度の一部を見直し、中皮腫に関する時効の起算点をそれまでの「死亡日」から「発症日」に変更しました。この変更により、男性は時効が過ぎたことになっていたのです。
判決は、国の主張を退け、遺族の請求を認める形となりました。



