俳優の高橋一生が主演を務める映画『脛擦りの森』が、2026年4月10日に全国公開される。本作は、岡山県に伝わる妖怪「すねこすり」をモチーフに、渡辺一貴監督が書き下ろしたオリジナルストーリー。ロケは全編岡山県で行われ、美しい自然と神秘的な雰囲気が作品の魅力を引き立てている。高橋は、これまでNHKのドラマシリーズ「岸辺露伴は動かない」や映画「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」などでタッグを組んできた渡辺監督との再タッグに「とても縁を感じた」と語る。
物語のあらすじ
森の中を彷徨う、足に傷を負った若い男(黒崎煌代)。洞窟を抜けた先に現れた古い神社には、謎の老人(高橋一生)とその妻・さゆり(蒼戸虹子)が暮らしていた。男は傷の手当てを受けながら、穏やかな時間を過ごすが、やがて不思議な出来事に巻き込まれていく。
妖怪「すねこすり」への愛着
高橋は、子供の頃から妖怪の絵を見るのが好きだったといい、特に「すねこすり」には特別な思い入れがあると明かす。「数ある妖怪の中で、すねこすりだけは全然怖くなかった。人の足元にまとわりついてつまずかせる程度で、なぜそんな妖怪が存在するのか不思議に思っていた。よくわからないものがいる感じがとても好きなんです」と語る。渡辺監督から「タイトルが『脛擦りの森』」と聞いた瞬間、「僕、すねこすり大好きなんですよ」と即座に反応したという。高橋は「自分の好きなものをモチーフにした作品に出られることはまれ。今回はちょっと違った解釈のすねこすりが表現されているので、楽しみにしてほしい」と期待を込める。
岡山ロケの思い出
撮影で特に印象に残ったのは、岡山県高梁市にある穴門山神社(県指定重要文化財)でのロケだ。高橋は「この場所で撮影できること自体がありがたかった。建立された時期も定かではないと地元の方がおっしゃっていて、そうそうあることではない」と振り返る。撮影の合間には、神社や周辺の地形について現地の人を質問攻めにしてしまい、「申し訳なかった」と笑う。また、天気が刻々と変わる中での撮影も貴重な体験だった。「晴れているのに雨がぱらつく『キツネの嫁入り』の雪バージョンみたいな現象が起きて、次の瞬間には曇り空に。幽玄の世界の中で芝居できるのは希有なことだった」と語る。
演技へのこだわり
本作はセリフが少ない異色の作品だが、高橋は「空間にしっかりと溶け込んだ上でお芝居ができたら」と意識したという。「『たたずまい』や『いずまい』でお芝居を語っていくのは一つの理想。とてもチャレンジングで、渡辺監督の脚本でそれができてうれしかった」と述べる。
見どころとメッセージ
高橋は「絵画を見ているような感覚になってもらえると思う。美しい風景と、妖しげで人を誘い込むような森の映像で、観客が実際に迷い込んだような感覚になるはず。起承転結を気にせず、ただ座って体験してほしい」とメッセージを送る。
映画『脛擦りの森』は、4月10日より全国公開。幽玄な森の世界と、高橋一生の静かで深みのある演技が観客を魅了する。



