広島県北広島町志路原にある浄土寺で、約400年前に建造されたとされるかやぶき屋根の山門の修復作業が本格的に始まった。最後に全面修復が行われてから50年が経過し、屋根の各所に傷みやずれが目立つようになっている。
50年ぶりの大修復
寺の山門は1616年(元和2年)の建立と伝えられ、かやぶき屋根は約8メートル四方の規模を誇る。2階部分には鐘がつり下げられ、歴史的な価値が高い。かやぶきは一般的に30年ごとに全面的な葺き替えが必要とされるが、前回の修復は1976年で、50年が経過していた。
修復にあたっては、当時の工法を示す資料がほとんど残っていないという課題があった。そこで、かやぶきの材料となるススキの保全に取り組むNPO法人「西中国山地自然史研究会」(北広島町)に相談。広島県出身で、大阪・関西万博のパビリオンのかやぶき屋根を手がけたかやぶき職人の沖元太一さん(50)が協力することになった。
6.5トン以上のかやを集める
昨年2月に再生プロジェクトが発足し、寺は地元の有志とともにかやの収集を開始。沖元さんによると、今回の修復で使用するかやは6.5トンにのぼるという。手間のかかる作業だが、沖元さんは「歴史ある建物を地域一丸となって支えることで、かやぶきの技術や伝統を次の世代に継承できる」と語る。
住職の朝枝泰善さん(62)と長女の舞さん(28)、次女の唯さん(24)もかや集めに積極的に参加。姉妹は「地元の子どもたちが慣れ親しんできたかやぶきを残し、次の世代へ引き継ぎたい」と話している。
クラウドファンディングで支援募る
寺は修復費用の約半額にあたる300万円を目標に、クラウドファンディングを7月5日まで実施している。修復完了予定の6月27日には現地で見学会が開かれ、沖元さんによるかやぶきの解説も行われる。問い合わせは浄土寺(0826・83・1083)へ。



