岐阜・高山市出身の新井真季子選手、20日に五輪スキークロス出場
岐阜県高山市石浦町出身のミラノ・コルティナ五輪スキークロス女子代表、新井真季子選手(32)が20日、いよいよ競技に登場する。度重なるけがや、20代後半でアルペン競技から転向する苦労を乗り越えてたどり着いた夢の舞台。これまでの道のりを、関わりの深い2人が振り返り、その挑戦を支える。
アルペン時代の指導者、井上春樹さんが語る新井選手の強さ
「目標をしっかり持ち、そこに向けて努力できる選手。性格も強気だった」と語るのは、郡上市のスキー場・ダイナランドのレーシングアカデミー校長を務める井上春樹さん(50)。高山市日枝中学校時代に強化選手に選ばれた新井選手を、県スキー連盟のコーチとして指導。社会人となってからも専属コーチを務めるなど、長年にわたり支えてきた1人だ。
強いメンタルが持ち味だった新井選手も、中学3年時に地元開催となった全国中学校大会の前には重圧を感じていたという。井上さんから「県のためではなく、自分のために滑りなさい」と助言を受け、回転と大回転の2種目を制覇した。
中学卒業前に欧州へ渡り、アルペン選手として五輪を目指したが、両脚ともに前十字靱帯を断裂するなどけがに苦しんだ。2021年、起伏の激しいコースを複数選手で滑るスキークロスへの転向を相談された井上さんは「けがのリスクが段違いに高まる」と猛反対した。それでも翌シーズンに転向。「それだけ五輪への思いが強かったんだろう」と振り返る。
その後はほとんど連絡を取らなかったが、今年1月に代表入りが決まると電話で報告があった。県内の中学生の指導に携わる際に立てた「ここからオリンピアンを出す」という悲願がかない、「アルペン時代から、選手としていい意味で『ずる賢い』ところがあった。それはクロスにも生きるはず。まずは万全の状態でスタートを切ってほしい」と願っている。
盟友・羽田友里さんが語る新井選手の姿勢と優しさ
新井選手の1学年下で、全中大会の大回転で新井選手に次ぐ準優勝を果たした羽田友里さん(31)=札幌市、高山市丹生川町出身=は中学時代、毎日のように一緒に滑りながら背中を追い続けた。「競技に向かう姿勢がすごかった。宿に帰ってからも熱心にビデオを分析していた」と語る。
羽田さんが調子を落とした際にはさりげなくアドバイスをしてくれる優しさもあったといい、「ここまで続けてきたからこそたどり着いた舞台。とにかく楽しんでほしい」と、かつての盟友の晴れ舞台を見守る。
新井選手の歩みと五輪への挑戦
新井真季子選手のキャリアは以下のような歩みをたどってきた:
- 高山市日枝中学校時代に強化選手に選出され、全国中学校大会で2種目制覇。
- 中学卒業後、欧州でアルペン選手として五輪を目指すが、けがに苦しむ。
- 2021年にスキークロスへの転向を決意し、2026年五輪代表に選出。
- 20代後半での転向と度重なるけがを乗り越え、夢の舞台に立つ。
今回の五輪出場は、長年の努力と支援の結晶であり、岐阜県高山市出身の選手として地域の期待も集めている。指導者と盟友の声からは、その強さと人間性が浮かび上がり、20日の競技への期待が高まる。



