スケルトン競技でヘルメットアートが観客を熱狂させる
目の前から一瞬で消えるトラ、オオカミ、チューリップ――。ミラノ・コルティナ五輪のスケルトン競技会場では、最高時速120キロを超える迫力たっぷりの滑走だけでなく、選手たちがかぶる色鮮やかで個性あふれるヘルメットデザインが、観客の目を強く引きつけている。
各国選手が込めた思いとデザイン
女子のホン・スジョン(韓国)選手のヘルメットには、「より速く、より強く」との願いを込めて力強いトラが描かれている。日系のジェーン・チャンネル(カナダ)選手は「日本の龍」をペイントしており、「きっと龍のように勇敢になれる」と笑顔で語った。
高橋弘篤選手の伊達政宗イメージ
日本勢でただ一人出場した男子の41歳、高橋弘篤選手(エフアシスト)は、宮城県出身という背景から、戦国武将の伊達政宗をイメージしたヘルメットを着用。黒地でかぶとのようなデザインに、陣羽織の模様も取り入れられている。これは前回大会で出場を逃した際に着用予定だったもので、「4年越しの思いを込めて滑った」と感慨深げに話した。
ヘルメットが唯一の自己表現の場
ブレーキもハンドルもないそりを操作し、頭を前にして腹ばいで氷上を滑り降りるスリル満点の競技であるスケルトン。高橋選手は「顔が見えないので、ヘルメットで個性を出すのが唯一のアピールポイントになる。みんな毎回の五輪でカラフルにしている」と説明し、選手たちの創意工夫を強調した。
このように、スケルトン競技では高速滑走の興奮とともに、ヘルメットを通じた選手たちの個性や思いが観客に伝わり、大会をさらに盛り上げている。