鳥取・琴浦町、全長415メートルの老朽化ブロック塀を撤去へ 大阪北部地震受け耐震性問題で
鳥取・琴浦町、全長415mの老朽ブロック塀撤去へ 耐震性問題

鳥取県琴浦町、半世紀近く前に設置された巨大ブロック塀の撤去を決定

鳥取県琴浦町は、同町出上地区にある家畜改良センター鳥取牧場と東桜ヶ丘地区との境界に位置する、全長約415メートルに及ぶ巨大なブロック塀を、2026年度に撤去する方針を正式に決定しました。この歴史的な撤去計画は、2018年に発生した大阪北部地震を契機として進められてきたもので、住民の安全確保を最優先に据えた措置となっています。

半世紀前に設置された防疫・防音用の巨大構造物

町総務課によれば、問題のブロック塀は高さ約1.8メートル、全長約415メートルに達する大規模な構造物です。この塀が設置されたのは1979年頃、当時農林水産省鳥取種畜牧場だった施設の隣接地に、東桜ヶ丘地区の団地が造成された時期にあたります。町は町有地にこの塀を設置し、主に防疫対策や防音、悪臭防止などの目的で活用してきました。

しかし、時代の経過とともにこのブロック塀は重大な問題を抱えることになります。2018年の大阪北部地震では、学校のブロック塀が倒壊し、小学4年生の女児が命を落とす痛ましい事故が発生。この悲劇を受けて、琴浦町も自町内のブロック塀の安全性を調査することになりました。

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新耐震基準を満たさないことが判明、住民から不安の声

調査の結果、この巨大ブロック塀は1981年に導入された「新耐震基準」を満たしていないことが明らかになりました。新耐震基準は、震度6強以上の大地震が発生しても倒壊しない強度を要求する厳格なものです。基準導入以前に建設されたこの塀は、現代の安全基準に適合していない状態だったのです。

東桜ヶ丘地区には現在27世帯が生活しており、一部の住宅はブロック塀のすぐそばに立地しています。このため、地域住民からは「古くなっており、地震の時に倒れないか心配だ」「万が一倒壊した場合、家屋が大きな被害を受ける可能性がある」といった切実な声が相次ぎ、町に対して早期の対応を求める要望が強まっていました。

5年にわたる協議を経て、26億円超の予算計上へ

琴浦町は2019年から、地域住民や鳥取牧場との間で慎重な協議を重ねてきました。そして2024年度からは撤去に向けた具体的な測量設計を開始。2026年度の一般会計当初予算案には、撤去費用を中心とした総額2億6800万円を計上するに至りました。

この予算案は3月4日に開会した町議会定例会で審議され、可決されれば夏頃から実際の撤去工事が始まる見通しです。工事は年度内に完了し、その後、鋼製の軽量フェンスを新設する計画が立てられています。

町総務課防災危機管理室の担当者は、「時間はかかりましたが、ようやく撤去費用を予算計上することができました。住民の皆さんが安心して暮らせる環境を整えたいと考えています」と語り、長年の課題解決に向けた決意を示しました。

この措置は、老朽化した公共構造物の安全性を見直す全国的な動きの中でも注目すべき事例となりそうです。琴浦町の取り組みは、地域コミュニティの安全確保と防災対策の重要性を改めて浮き彫りにするものと言えるでしょう。

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