児童相談所の労働環境訴訟が高裁で和解 千葉県が改善策を約束
児相労働環境訴訟が和解 千葉県が改善策を約束

児童相談所の過酷な労働環境を巡る訴訟が高裁で和解成立

千葉県の児童相談所に勤務していた元職員が、過酷な労働環境を理由に未払い賃金や慰謝料の支払いを求めた訴訟が、2026年3月23日に東京高等裁判所で和解が成立しました。この和解により、千葉県は元職員に対して解決金として50万円を支払うとともに、児童相談所職員の労働環境改善に取り組むことを約束しました。

具体的な改善策が盛り込まれた和解内容

和解の内容には、以下のような具体的な改善策が明記されています。

  • 必要な研修を適切に実施すること
  • 休憩時間の実態を把握し、職員が休憩を取れるよう人員配置に努めること
  • 休憩時間中に業務を行った場合には、適切な賃金を支払うこと

これらの措置は、児童相談所における労働環境の根本的な改善を目指すものとして位置付けられています。

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元職員の経緯と訴訟への思い

原告の飯島章太さん(32歳)は、2019年4月から千葉県市川児童相談所の一時保護所で勤務を開始しました。しかし、過酷な労働環境が原因でうつ病と診断され、休職を繰り返した末に2021年11月に退職に至っています。

飯島さんは「児童相談所の労働環境を改善したい」との思いから、2022年に千葉県を相手取って訴訟を提起しました。一審の千葉地方裁判所は昨年3月、夜間勤務時の仮眠時間中にも突発的な事案への対応を指示されていた事実を認定。こうした環境は安全配慮義務に違反すると判断し、県に対して約50万円の支払いを命じる判決を下しましたが、県側は即日控訴していました。

和解後の会見で語られた思い

和解成立後、東京都内で会見した飯島さんは「多くの方々の支えがあったからこそ、ここまでたどり着くことができました」と感謝の意を表明しました。さらに、「県には職員を守るための仕組みをさらに整備していってほしい。県が約束を守るのか、これからも注視していきたい」と述べ、今後の取り組みに対する期待と監視の姿勢を示しました。

弁護団を率いる舩沢弘行団長は、「この訴訟は飯島さんの権利回復だけでなく、児童相談所職員全体の労働環境改善が不可欠であることを訴えてきました。その点を踏まえた和解が成立したと考えています」と評価しました。

千葉県のコメントと今後の課題

千葉県側は、「原告の方々は児童相談所の職場環境改善を訴えていましたが、県も同じ思いを持っています。今回の和解を受けて、さらに前向きに環境改善に取り組んでいきたい」とのコメントを発表しました。

しかし、児童相談所の労働環境改善は道半ばであり、県の取り組みが実際に現場でどのように実践され、職員の負担軽減につながるかが今後の焦点となります。福祉現場で働く人々のメンタルヘルスや労働条件は社会的な関心事項であり、この和解が全国の児童相談所における環境改善の契機となることが期待されています。

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