検察組織内ハラスメント調査の第三者委員会設置を要望 被害女性検察官が辞職の意向も示す
元大阪地検トップの検事正だった北川健太郎被告(66)が準強制性交罪に問われている事件で、被害を訴える女性検察官が3月2日、検察組織内のハラスメントに対して独立した第三者委員会を設置し、実態調査を実施するよう求める要望書を平口洋法務大臣と畝本直美検事総長に提出しました。
「安全配慮義務の放棄」と指摘し辞職の考えを表明
女性検察官は同日、東京都内で記者会見を開き、企業や自治体であれば組織のトップが犯罪行為やハラスメントを行った場合、第三者委員会を設置して全職員に対する実態調査を行い、再発防止に努めるのは当然の対応だと強調しました。これまでにも繰り返し要望してきたとして、3月末までに実施されない場合は「国が安全配慮義務を放棄したと判断せざるを得ない」と述べ、4月末での辞職を検討している考えを明らかにしました。
北川被告の事件経緯と検察・法務省の対応
北川被告は2018年、酒に酔って抵抗できない状態の部下の女性検察官に対し、自身の官舎で性的暴行を加えたとして起訴されています。2024年10月の初公判では罪を認めましたが、同年12月には弁護士が会見を開き、無罪を主張する方針に転じる意向を示しています。
最高検察庁は「検察庁職員の働きやすい職場環境などの醸成については引き続き適切に対処していく」とコメントし、法務省は「特にコメントはない」としています。この対応に対し、女性検察官は組織的な調査の必要性を改めて訴えました。
第三者委員会設置の意義と組織風土の問題点
女性検察官は会見で、検察組織内部におけるハラスメントの実態を明らかにするためには、外部の専門家による独立した調査機関が不可欠だと指摘しました。特に権力構造が厳格な組織では、被害者が声を上げにくい環境が存在し、今回の事件のようなケースでも二次被害が生じる可能性があると懸念を示しました。
さらに、検察組織が司法の一端を担う機関である以上、内部の不祥事に対して透明性の高い対応が求められると強調。第三者委員会による全職員を対象とした実態調査が実施されなければ、真の再発防止策は講じられないと訴えました。
この要望は、単に個別事件の対応だけでなく、検察組織全体のハラスメント防止体制の抜本的な見直しを求めるものとなっています。女性検察官の決意表明は、公的機関におけるパワーハラスメントやセクシャルハラスメントの問題が、いまだに根本的に解決されていない現実を浮き彫りにしました。



