「130万円の壁」の計算要件が4月から緩和 残業代含めず年収算定へ
厚生労働省は、会社員の扶養に入るパートタイマーやアルバイト労働者の社会保険料負担が発生する「年収130万円の壁」に対する新たな対策を発表した。4月から年収の計算要件を実質的に緩和し、上限を引き上げる方針を明らかにした。これにより、働き控えの解消につなげることを目指している。
残業代を含めない新たな計算方法
現行制度では、扶養から外れるかどうかの判断において、残業代を含めた総年収で130万円を超えるかどうかを基準としていた。しかし、新たな措置では、給与収入のみを対象とし、残業代を含めずに年収を計算することが可能となる。具体的には、雇用契約時の書類などで規定された基本賃金に基づいて年収を算定する方式が採用される。
この変更により、残業をして年収が130万円を超えた場合でも、原則として扶養から外れなくなる見込みだ。ただし、不動産収入や配当収入など給与以外の収入がある場合は、別途考慮されることになる。
「130万円の壁」とは
「130万円の壁」とは、勤務先の従業員数が51人以上といった厚生年金の加入要件を満たさない労働者が、年収130万円を超えると扶養から外れ、国民年金や国民健康保険の保険料を自身で支払わなければならない境目のことを指す。これまで多くのパート労働者は、この壁を超えないよう残業時間を調整するなど、働き控えを余儀なくされてきた。
厚生労働省の関係者は、「今回の要件緩和により、労働者が安心して働き続けられる環境を整えたい」と述べている。背景には、少子高齢化や労働力不足といった社会課題に対応し、女性や高齢者の就労促進を図る狙いもあるとみられる。
今後の影響と課題
新制度の導入により、以下のような効果が期待されている。
- 残業を恐れずに働ける環境の整備
- 労働者の収入増加と生活の安定
- 企業側の人材確保の容易化
一方で、制度の周知徹底や企業側の対応が課題となる可能性もある。雇用主は新しい計算方法に基づいた賃金管理を求められるため、適切な対応が求められる。
今回の改正は、2026年3月16日に発表されたもので、即時適用される見通しだ。厚生労働省は、関連するガイドラインの整備を進めるとともに、労働者や企業への説明を強化していく方針を示している。



