香川県立高松北高校フェンシング部で体罰問題、県教委が文書訓告処分を下す
香川県立高松北高校(高松市)のフェンシング部顧問を務める男性教諭(39歳)が、昨年7月に部員の男子生徒に対して平手打ちの体罰を行った問題で、新たな事実が明らかになった。同教諭は他にも複数の部員に対して、不必要な回数の基礎練習を強要していたことが、学校関係者や保護者への取材によって判明した。学校側はこの指導を「不適切な指導」と認め、香川県教育委員会も調査を進めた結果、今年3月30日付で男性教諭に対して文書訓告処分を下した。
合宿中の過酷な練習指示が明らかに
同校や複数の保護者によると、男性教諭は2024年8月、高松市内で行われた合宿中に、昼食の弁当の数が合わなかったことを理由として、片足を大きく前へ踏み出し、前に突く基本動作である「ファント」を1000回行うよう指示した。この指示は、高松北高校と県立高松北中学校(高松市)のフェンシング部員3人に対して出され、3人は約1時間で300回ほどを強いられたという。そのうちの1人は、昨年7月に体罰を受けた生徒であった。
当時は、直後の大会に向けて調整を行う重要な時期だった。香川県内でフェンシングを指導する関係者は、「多数回のファントは足腰への負担が大きく、故障のリスクを高める。大会前のこのような指示は明らかに不適切だ」と指摘している。
保護者の訴えと学校側の対応
高松北高校・中学校は中高一貫校であり、いずれもフェンシング部が設置されており、男性教諭が長年にわたり指導を担当してきた。体罰が部内で問題となった後の昨年11月、保護者3人が学校側に対して、ファントの強要について訴え出た。
学校側は男性教諭から事情を聞き取るなどして調査を実施し、同月に非公開で開催された保護者説明会において、当時の校長が「ただ単にペナルティーというレベルではなく、体罰と捉えられる部分が十分ある」と述べ、不適切な指導であったことを認めた。
県教委の調査と処分の決定
香川県教育委員会は今年1月、読売新聞の取材を通じてこの問題を把握し、男性教諭のこれまでの指導について詳細な調査を開始した。その結果、昨年9月に平手打ちの体罰に対して下された口頭の厳重注意処分とは別に、新たに同処分より重い文書訓告処分を決定した。男性教諭は聞き取り調査に対し、事実関係を認めたという。
この処分は、教育現場における体罰や不適切な指導に対する厳格な対応を示すものとして、地域社会や保護者から注目を集めている。県教委は今後も、生徒の安全と健全な成長を最優先に、指導体制の改善を進めていく方針だ。



