JR美祢線のBRT復旧、専用道設置見送りへ 観光誘客効果とコストの課題を協議
JR美祢線BRT復旧、専用道設置見送り 観光効果とコスト課題

JR美祢線のBRT復旧計画、専用道設置を断念 観光効果とコストのバランスで協議会が結論

2023年の大雨により全線不通となったJR美祢線のバス高速輸送システム(BRT)での復旧を進める法定協議会「美祢線沿線地域公共交通協議会」は、3月30日に山口県庁で第3回会合を開催し、専用道を設置しない方針を正式に決定しました。この決定は、観光面での誘客効果と多大なコストの課題を踏まえたもので、協議会事務局(山口県交通政策課)の説明に基づき、全会一致で合意に至りました。

専用道設置の検討と費用対効果の課題

協議会事務局は、2月の前回会合で専用道のルートや距離が異なる3パターンの案を提示し、時間短縮効果がわずか1分程度にとどまる一方、整備費用が約21億円から約45億円に上るとの試算を公表していました。事務局は「速達性・定時性の向上を目的とした専用道の整備は費用対効果が低くなる見込み」と指摘し、慎重な検討を求める姿勢を示していました。

一方で、協議会の委員からは観光面でのメリットを重視し、専用道設置を検討すべきとの意見も上がっていました。これを受けて、事務局は今回の会合で、鉄路の於福駅から長門湯本駅間の13.8キロに専用道を設置した場合の詳細な試算を提示しました。

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観光誘客効果とコストの詳細な分析

試算によると、専用道を設置した場合、所要時間は通常便のルートに比べて約5分半増加し、整備費用は100億円を超える見込みとされました。事務局側は、観光客の呼び込みには一定の効果が期待できるものの、「観光面の効果を持続させることが課題」と説明。さらに、日常利用者にとっては所要時間の増加や停留所設置の制約により、利便性が低下する懸念があると指摘しました。

これらの検討を踏まえ、協議会は観光客の増加には専用道の設置以外の取り組みが必要であると結論づけ、委員全員の同意を得て専用道設置を見送る方針を決定しました。この決定により、BRT復旧計画はコスト効率を重視した形で進められることになります。

今後の展望と協議会の取り組み

会合終了後、会長を務める平屋隆之副知事は、「いろんな形で利便性を高め、BRTとしての魅力を高められるように提案をいただきながら、取りまとめを進めていきたい」と語り、専用道に頼らない代替策の検討に意欲を示しました。協議会では、今後も沿線地域の交通利便性向上と観光振興の両立を目指し、具体的な施策を議論していく方針です。

この決定は、災害復旧と地域経済活性化のバランスを考慮した重要なステップであり、山口県の公共交通政策に新たな方向性を示すものと期待されています。協議会は、BRTの早期復旧と持続可能な観光誘客策の実現に向けて、さらなる協議を続けていく予定です。

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