自転車交通違反に「青切符」制度が4月から本格導入 ながらスマホで1万2000円の反則金
自転車利用者の交通違反に対して「青切符」を交付する新制度が、4月1日から全国的に導入される。この制度では、16歳以上を対象に、113種類の違反行為に対して反則金が科せられることになる。特に注目されるのが、「ながらスマホ」が最高額の1万2000円となる点だ。信号無視や逆走、歩道走行などの通行区分違反は6000円となっている。
免許を持たない子供たちへの周知が最大の課題
制度開始まで1か月を切った2月26日、岡山県赤磐市立高陽中学校で開かれた交通安全教室では、生徒たちが大型画面に映し出された動画に集中していた。この動画は、「若い人の目線でつくってほしい」という赤磐署の要望を受け、環太平洋大学の学生らが作成したものだ。
動画では、警察官から「自転車に乗りながら携帯電話を触っていた」と注意された大学生が「次から気をつける」と言って立ち去ろうとするが、警察官に引き留められ「反則金1万2000円」と告げられ仰天する様子が描かれている。
安井隆稔交通課長が新制度の導入を知っていたか生徒たちに問うと、約8割が「知らない」と手を挙げた。3年生の生徒は「高校生になるので気を引き締めないと」と真剣な表情で話した。
制度の詳細と期待される効果
新制度の主な特徴は以下の通り:
- 対象年齢:16歳以上
- 反則金対象:113種類の違反行為
- 最高額:ながらスマホ(1万2000円)
- その他:信号無視(6000円)、通行区分違反(6000円)
- 反則金を納めれば前科として残らない
一方、酒酔い運転や酒気帯び運転、交通違反で事故を起こした場合など重大なケースは、これまで通り刑事手続きの対象となる。
県警によると、これまで自転車の交通違反は摘発対象ではあったものの、不起訴となるケースが少なくなく、責任追及が不十分な実態があったという。新制度の導入により、少ない負担で実効的な責任追及が可能になると期待されている。
自転車事故の現状と課題
警察庁の統計によると、自転車関連の事故は近年7万件前後で推移している。自転車の交通違反摘発件数は、2014年の8070件から2024年には5万1564件と、6倍以上に増加している。
岡山県内でも、2025年の人身事故発生件数4681件のうち、自転車が関係する事故は1072件で、全体に占める割合は10年前の約1.4倍になっている。新制度の導入により、自転車関連事故の減少が期待されている。
効果的な周知活動の取り組み
最大の課題は、実際に青切符の対象となるケースの周知だ。道路交通法が改正され制度導入が決まったのは2024年5月。実施までに2年近く、県警は様々な啓発活動に取り組んできた。
県立井原高校では1月下旬、井原署と協力して自転車通学する生徒を対象に「仮の青切符」を交付する取り組みを実施。複数台での並走やイヤホンの使用などで、計6人の生徒に警告を行った。
上野修嗣校長は「講話ではなかなか伝わっていないようだったので、事前に取り締まりを経験することで、効果的に意識を高められたのではないか」と語る。
警察庁は昨年9月に違反内容や取り締まり方針をまとめた「自転車ルールブック」をホームページで公表。県警交通企画課の定行宏樹次長は「自転車は被害者にも加害者にもなり得る乗り物。利用する年齢層に応じた安全教育を引き続き行っていきたい」と強調している。
制度開始まで残りわずかとなった今、免許を持たない子供たちを含むすべての自転車利用者への効果的な周知が急務となっている。



