札幌市営地下鉄、冷房設置で夏場の「サウナ状態」解消へ 南北線は2030年度導入方針
札幌市は、市営地下鉄南北線の車両に冷房を導入する方針を固めました。導入時期は早くても2030年度以降となる見込みです。近年、札幌市内でも夏場の猛暑が深刻化し、市民から地下鉄車内の暑さを訴える声が相次いでいたことから、この決定に至りました。
全国唯一のゴムタイヤ地下鉄、重量制限で冷房未設置
市交通局によると、札幌市営地下鉄は全国で唯一、ゴムタイヤを使用しています。この方式は傾斜に強く、走行時の騒音を抑えるなどの利点がありますが、積載できる重量に制限があるため、これまで冷房を設置していませんでした。
一方、札幌市では近年、最高気温30度以上の「真夏日」が頻発し、交通局には市民から「車内がサウナ状態だ」といった苦情が多数寄せられていました。この状況を受け、市は冷房導入に向けた本格的な検討を開始することになりました。
南北線から順次導入、東西線と東豊線は10年程度かかる見込み
市営地下鉄3路線のうち、まず2030年度以降に車両の更新時期を迎える南北線(20編成)について、冷房設置が実施されます。具体的には、車両自体の軽量化を図った上で、各車両の天井に冷房装置を1~2台設置する計画です。電源設備を含めた車両の改修や、冷気を行き渡らせるためのダクトの整備も併せて行います。
東西線と東豊線については、新年度から冷房設置の検討を始めますが、設置完了までには少なくとも10年程度かかる見込みです。これは、車両の更新サイクルや技術的な課題を考慮した結果です。
新年度予算に調査費など計上、駅ホームにも暑さ対策
市は新年度予算案に、冷房設置に向けた調査費として6100万円を計上しました。さらに、南北線の各駅ホームにスポットクーラー計60台を設置するための費用として1300万円、高架駅(南平岸―真駒内間)の暑さ軽減策を検討するための費用として500万円を盛り込みました。
これらの措置により、夏場の地下鉄利用者の快適性向上が期待されます。札幌市営地下鉄は、開業から50年を迎えた南北線を皮切りに、長年の課題であった冷房問題に本格的に取り組むことになります。



