自賠責保険料、13年ぶり引き上げへ 約6%アップを検討、なぜ今?
自賠責保険料、13年ぶり引き上げへ 約6%アップ検討

自動車やバイクの所有者に加入が義務付けられている「自動車損害賠償責任保険」(自賠責)の保険料が、13年ぶりに引き上げられる見通しとなった。上昇率は約6%で、2026年11月からの適用が検討されている。近年の改定では値下げが続いてきたが、なぜこのタイミングで引き上げるのか。

保険料引き上げの背景

金融庁は17日、関連の審議会で、保険料を11月から約6%引き上げる案を示した。30日の審議会で正式に決定される方向だ。自賠責保険は、人身事故の被害者への賠償金に充てるための保険で、全ての車に法律で加入が義務付けられている。保険料は、販売する損害保険会社の利益にも損失にもならないよう、随時見直される。

現在の保険料と過去の改定

現在の保険料は、最も一般的な自家用車(24カ月契約)で1万7650円。2013年の改定で2万7840円に引き上げられたが、その後17年、20年、21年、23年の改定で4回連続で引き下げられ、13年時点と比べて約1万円安い水準となっている。近年の保険料の下方改定の背景には、事故件数の減少や医療技術の進歩による治療費の低下などがあった。

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なぜ今、引き上げが必要なのか

今回の引き上げは、近年の値下げ傾向が一転する形となる。その主な理由として、交通事故の増加や物価上昇による治療費の高騰、さらに高額な賠償事例の増加が挙げられる。特に、後遺障害や死亡事故における賠償額が上昇しており、保険金支払い総額が保険料収入を上回る状態が続いている。金融庁は、保険制度の持続可能性を確保するためには、適切な保険料水準への引き上げが不可欠と判断した。

また、近年の自然災害の増加も影響している。災害による車両損害は自賠責の対象外だが、損害保険会社全体の収支悪化が間接的に自賠責保険の運営にも影響を及ぼしているとの見方もある。

今後の見通し

今回の引き上げ案が正式に決定されれば、11月から新たな保険料が適用される見通しだ。自家用車の場合、現行の1万7650円から約1060円増の1万8710円程度になる計算だ。ただし、契約期間中に改定があった場合でも、既存契約には新料金は適用されず、更新時からの適用となる。

自賠責保険は、全てのドライバーが加入する必要があるため、今回の引き上げは広く国民生活に影響を与える。特に、低所得者層や多額の保険料負担を強いられている事業用車両の所有者にとっては、負担増が懸念される。一方で、被害者救済の観点からは、適切な保険料水準を維持することが重要であり、今後の議論が注目される。

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