岩手県大槌町で22日に発生した山林火災は、2日経った24日も燃え広がり、焼損面積が前日から倍増した。総務省消防庁によると、23日午後8時時点の焼損面積は小鎚地区で105ヘクタール、吉里吉里地区周辺で326ヘクタールの計431ヘクタールに達した。23日朝時点の201ヘクタールから倍増しており、消防や自衛隊が夜通しで消火活動を続けているが、鎮火の見通しは立っていない。
避難指示が拡大、2588人が対象に
大槌町は避難指示の範囲を拡大し、23日夕時点で1229世帯2588人が避難対象となった。町内4カ所に設けられた避難所には、同午後5時時点で74世帯計189人が避難している。避難所で転倒した60代女性があご付近にけがをしたほか、住宅など建物8棟が焼けたという。
風向きの変化で炎が住宅地に迫る
山林火災は風向きが変わるごとに別の方向に炎が広がり、24日早朝には住宅地のすぐ裏まで迫った。夜通しの消火活動が続いたほか、夜明けとともに空からの消火が再開。ヘリコプターがひっきりなしに水を投下する様子を住民らが見守った。
沢山地区には23日、329世帯704人に避難指示が出された。近くの山林は夜通し燃え続け、24日午前7時前後には、住宅から小さな谷や道路を挟んで約100メートルの林床からもバチバチと音を立てて炎が上がっていた。
住民の不安と懸命な消火活動
小嶋桂子さん(68)は23日午後から近くの商業施設の駐車場に避難した。町指定の避難所に行ったが「満員だ」と言われたという。火が迫った家が心配で、何度も様子を見に戻った。付近への延焼を防ごうと、夜間は近所の人たちとバケツを使い、手作業で周辺の斜面に水をまいたという。
早朝にヘリからの放水が始まり、最初は水が落ちる場所が遠くに見えたが、数機目のヘリコプターの放水が目の前の炎を直撃。同居する娘の小笠原円佳さん(44)が「すごい。うまい」と歓声を上げた。霧状の水しぶきが小嶋さんらのいる所までかかった。
小嶋さんは東日本大震災で被災し、高台のこの地区に移り住んだ。そうした人が多い地区という。「これで風が強くならなければ、なんとかなるかも」と祈るように消火活動を見守っていた。



