外国人容疑者の取り調べ「限度超えた意訳」と高裁指摘 差し戻し審開始
外国人容疑者の取り調べ「限度超えた意訳」差し戻し審

パキスタン国籍の被告(43)に対する強盗致死事件の差し戻し審が8日、仙台地裁で始まった。被告は勤務先の社長への暴行に加担し、死亡させた上で金品を奪ったとして、強盗致死などの罪に問われている。控訴審で仙台高裁は「取り調べに限度を超えた意訳があった」と認定し、懲役23年とした地裁判決を破棄していた。

事件の概要と争点

起訴状などによると、被告は複数人と共謀し、2020年7月25~26日、宮城県柴田町の社長宅で、ビジネスバッグなど54点(約28万8500円相当)を奪い、テレビドアホンモニターを損壊したとされる。この際、共謀者がインド国籍の社長の首を絞めて死亡させたとされる。

裁判の主な争点は、被告が氏名不詳者と共謀し、社長の体を押さえたかどうかだった。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

地裁判決と高裁判決の違い

地裁は2021年10月の一審判決で、被告が警察官の取り調べで体を押さえたと自白し、法廷でも認めたと判断。被告が重要な役割を果たしたと認定し、懲役23年の有罪判決を言い渡した。一方、高裁は2024年3月の二審判決で、警察官とのやり取りでは「被害者を押さえていたという被告の供述はない」と指摘。否定しなかったからといって供述したとはみなせないとした。

被告は取り調べの中で両手を前に出して上下させる動作をしており、通訳はこの動作を「被害者をずっと押さえていた」と訳していた。高裁は「動作の意味を一義的に捉えることはできず、許される意訳には限度がある」と指摘し、地裁判決に事実誤認があると結論づけた。

共謀者の状況

被告と共謀したとされる人物については、県警が2021年2月にインド国籍の男を逮捕したが、仙台地検は処分保留で釈放。その後、男は日本を出国したため、現在は中止処分となっている。実行役とみられる別のパキスタン国籍の男も出国しており、捜査の手が及ばない状態だ。

検察側は差し戻し審で、被害者を押さえたかどうかについて「積極的に立証することは難しい」とみており、今後の争点は犯行への関与の有無や度合いに移るとみられる。

外国人捜査の課題

外国人が関わる事件では、意思疎通の難しさが社会問題化している。本件では、通訳の意訳が問題となり、高裁が捜査の限界を指摘する形となった。今後、外国人被疑者の取り調べにおける通訳の質や、適正手続きの確保がより重要な課題となる。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ