長崎市の私立海星高校で2017年に2年の男子生徒(当時16)が自殺したのは学校がいじめ対策を怠ったからだとして、両親が計約3200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が8日、長崎地裁であった。村上典子裁判長は両親側の訴えを一部認め、学校側に計330万円の賠償を命じた。
争点はいじめの有無と自殺への影響
裁判の争点は、いじめの有無とそれが自殺の要因になったか否かだった。
両親側の主張
いじめの有無について両親側は、男子生徒が残した遺書やノート、学校側が設けた第三者委員会の報告書を根拠に「(中高一貫校の)中学3年2学期から高校2年1学期まで継続的にいじめを受けていた」と主張していた。また、自殺翌月に学校がおこなったほかの生徒への記名式アンケートでは、40人のうち28人の生徒が、いじめやいじめを疑わしめるエピソードを記載していたとも指摘。「授業中にもいじめは公然と行われており、授業を担当する教諭は容易に気づくことができた」としていた。
学校側の反論
一方、学校側は、学校がおこなったアンケートなどで得られた結果には「実際に具体的ないじめ行為を目撃したという記載は存在しない」と反論。「いずれも伝聞形式で抽象的にからかいやいじめがあるらしい、という程度の記載にすぎない」などとしていた。
生徒の自殺をめぐっては、学校側が弁護士や臨床心理士ら5人の第三者委員会を設置。第三者委は生徒が書き残したノートや遺書に基づき2018年11月、報告書をまとめた。報告書では男子生徒が学校でおなかの鳴る音をからかわれたことや、それを気にして間食のために入っていた小部屋の扉を無理やり開けられそうになったことを「いじめ」と認定。「自死の主たる要因であることは間違いない」とも記していた。
ただ、学校側は「報告書については論理的飛躍などさまざまな問題がある」などとして受け入れない姿勢を表明し、両親が2022年11月、損害賠償を求めて提訴していた。



