生後11か月の長女を死亡させた傷害致死事件、母親に懲役8年求刑
福岡地方裁判所(鈴嶋晋一裁判長)で13日、福岡県川崎町で2018年に生後11か月の長女に暴行を加えて死亡させたとして傷害致死罪に問われた無職の母親(29)の裁判員裁判の公判が始まった。検察側は論告で「未来ある命が奪われた結果は重大である」と強調し、懲役8年を求刑した。一方、弁護側は無罪を訴えており、同日午後に最終弁論が行われる予定だ。
検察側の主張:転倒説明は暴行隠蔽の目的
起訴状によると、被告は2018年7月28日午前、当時暮らしていた川崎町の自宅で長女の頭に暴行を加え、後頭部に骨折を負わせた。その後、同月31日未明に搬送先の病院で急性硬膜下血腫などにより死亡したとされている。検察側は論告で、長女の頭部のけがについて「転倒では生じず、外力が加わったものと認められる」と指摘した。
さらに、「『転倒した』という被告の説明は真実と異なり、暴行を隠す目的としか考えられない。複数回打ちつけたことによって死亡した」と主張し、被告の弁解を不合理と断じた。検察側は、この事件の重大性を強調し、厳しい刑罰を求める姿勢を示している。
弁護側の反論:てんかん発作による記憶喪失を主張
弁護側はこれまでの公判で、被告にはてんかんの持病があり、発作で記憶がない状態だったと説明。その中で、抱いている長女を落としたり、一緒に転倒したりして死亡した可能性があるとして、暴行を否定している。弁護側は、被告が故意に暴行を加えた事実はなく、無罪であると強く主張している。
この事件は、幼い命が奪われた悲劇的なケースとして、地域社会に衝撃を与えている。裁判員裁判では、一般市民が参加し、事実関係を慎重に審理することが期待されており、今後の判決が注目される。
福岡地裁での公判は、証拠や証言を基に、被告の責任の有無や量刑が争われる見込みだ。検察側と弁護側の主張が鋭く対立する中、裁判の行方に多くの関心が寄せられている。