龍ケ崎市役所、男性職員の育休取得率が11年連続で100%を達成
茨城県龍ケ崎市役所に勤務する男性職員の2025年度育児休業取得率が、100%を達成しました。これは2015年度から11年連続で100%を維持しており、全国的に見てもトップクラスの高い水準となっています。かつては育休が普及していない時代もありましたが、地道な取り組みを重ねた結果、現在では「育休を取るのが当たり前」という職場文化が根付いています。
地道な呼びかけから生まれた意識改革
市役所では、ワークライフバランスの充実を目的に、男性職員が育児への理解を深めるための座談会を定期的に開催。さらに、育休取得者に相談できる「育休メンター制度」を創設するなど、取得しやすい環境づくりを積極的に進めてきました。男性職員が初めて育休を取得したのは2010年度で、それ以降、着実に制度が浸透していきました。
当初は、職員に子どもが生まれたことを知ると、人事担当者が該当職員や所属長に育休制度を紹介し、取得を働きかけるという地道な努力が続けられました。この取り組みが職場全体の意識改革につながり、2025年度には7人の男性職員が育休を取得。平均取得日数は約42日間で、2015年度と比較して4倍以上に伸びています。
カバー体制の強化と今後の課題
育休取得に際しては、同僚職員への負担増加が懸念されるケースも少なくありません。これまで龍ケ崎市役所では、部署内の人繰りで対応してきましたが、2025年度には5カ月間の長期育休を取得した職員も現れました。この場合、別の職員で欠員を補充する措置を初めて実施し、組織としてのサポート体制を整備しています。
担当者は「より本人の希望に沿った時期や日数で取得できる環境を整えることが今後の課題」と語り、さらなる充実を目指す方針です。2025年度には、働き方改革などを盛り込んだ「特定事業主行動計画」を改訂。「対象の男性職員全員が2週間以上取得」を目標に掲げ、育休のカバー体制を組織的に整備する決意を明記しました。
思わぬ効果:人材確保にも貢献
市を挙げての取り組みからは、予想外の効果も生まれています。全国的に労働力不足が課題となる中、育休制度が充実していることを評価し、龍ケ崎市役所に転職する若手職員が増加しているのです。2024年4月に民間企業から転職した巽琢磨さん(31)は「子育てしやすい職場環境を重視していたので、龍ケ崎市役所は育休が普及していると知り、志望度が上がった」と語ります。
巽さんは転職前に第1子が生まれた際、育休を取りたくても取れなかった経験があります。2024年10月に第2子が生まれると、入庁から間もない時期だったため、育休の話を言い出しづらい状況でした。しかし、上司の方から「育休はいつ取る?」と声をかけてもらい、スムーズに取得できたといいます。
「入庁1年目で当たり前のように育休を取れたことに驚いたし、とてもありがたかった」と巽さんは振り返ります。日ごろから部署内で情報共有を密にし、職員に空きが出てもカバーし合える体制が整っていると感じているそうです。
龍ケ崎市役所の取り組みは、単なる数値目標の達成を超え、職場文化そのものを変革する力を持っています。今後も持続可能な育休環境の構築が期待されます。



