福島の運送会社が保護猫姉妹を飼育、社内の癒やしに
福島県伊達市に本社を置く運送会社「伊達貨物運送」では、昨年6月に保護猫の姉妹を引き取り、事務所内で飼育を続けています。好奇心旺盛なつばきと人見知りな性格のすみれという2匹の猫は、社員たちの日々の疲れを癒やしてくれるアイドルとして愛されています。
保護猫受け入れの背景と殺処分の厳しい現実
この取り組みは、保護犬や保護猫を取り巻く厳しい状況に社員が心を動かされたことがきっかけでした。県動物愛護センターハピまるふくしま(三春町)のデータによると、福島県内で猫が保護された件数は2000年代初頭には年間約4000匹前後でしたが、2024年度には1143匹に減少しています。しかし、そのうち譲渡されたのは710匹で、379匹が殺処分されており、依然として深刻な課題が残っています。
社員たちは「保護犬や保護猫のために自分たちができることはないか」と考え、相談を受けた酒井良晃社長(52歳)が総務部を中心に話し合いを促しました。酒井社長は「1匹、2匹を受け入れるだけでは変わらないが、発信していくことで変わるのではないか」と応じ、受け入れを決断しました。
会社ならではの飼育体制と社内の変化
保護猫の飼育には、休日や年末年始の対応など、独自の体制が求められました。会社が休みの日でも出社する社員がおり、都合がつかなければ酒井社長自らが対応。餌やりなどのために出社した社員には「キャットシッター手当」を支給するなど、柔軟な仕組みを整えました。同社に保護猫を譲渡した施設担当者は「生き物なので、引き取り手は基本的に個人。会社で引き受けた例は初めてだ」と驚きを語っています。
飼育が始まってからは、社内の雰囲気も大きく変化しました。酒井社長は「猫の影響で、みんなにこやかになっている」と笑顔で話し、2匹の存在が職場環境を明るくしていることを強調します。
情報発信を通じた動物愛護の啓蒙活動
伊達貨物運送では、名刺に2匹の写真を載せたり、ブログで日常の様子を発信したりするなど、積極的な情報発信を行っています。社員たちは「一匹でも保護犬や保護猫が減れば」と願い、殺処分ゼロを目指す取り組みを続けています。この活動は、地域社会にも動物愛護の意識を広げる一助となっています。



