藤原定家が見た赤いオーロラは太陽活動の静寂期に発生、青森ヒバの解析で判明
定家のオーロラは太陽活動の谷間、青森ヒバ解析で新事実

藤原定家が目撃した赤いオーロラ、太陽活動の静寂期に発生していた

太陽活動が活発な時期によく見られるオーロラだが、平安・鎌倉期の歌人、藤原定家が見ていたオーロラは、活動が静かな時期に発生していたことが明らかになった。沖縄科学技術大学院大学(OIST)と国文学研究資料館などの研究チームが、青森ヒバを使った高精度解析によってこの事実を突き止めた。

「明月記」に記された「赤気」の正体

定家の日記「明月記」には、1204年2月に「赤気」が見えたと記されており、この赤気がオーロラであったことは既に知られていた。しかし、この前後の数百年間は地磁気の影響で日本でもオーロラが見えやすい時期だったものの、太陽活動との詳細な関係は長らく不明のままであった。

青森ヒバの年輪解析が解き明かす歴史

研究チームは、青森県下北半島の猿ケ森埋没林のヒバに着目。ヒバには、太陽活動の変動によって増減する放射性炭素と、太陽放射線が急増することで増加する放射性炭素が含まれている。約15年前から解析を進め、太陽活動による放射性炭素の変動だけを年単位で超高精度で抽出することに成功した。

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この量の変動と年輪による年代測定を組み合わせ、明月記が書かれた時期を中心に20年間ほどを詳細に分析。その結果、この時期の太陽活動は、従来の想定とは異なり、比較的静かな状態であったことが判明した。定家が目撃した赤いオーロラは、太陽活動サイクルの谷間に発生した「想定外」の現象だったのである。

科学的発見が歴史解釈に新たな光

この発見は、オーロラの発生メカニズムや太陽活動の歴史的理解に新たな視点をもたらすものだ。青森ヒバのような自然試料を用いた解析手法は、観測記録のない時代の気象や天文現象を解明する有力な手段として注目を集めている。

研究チームは今後も、同様の手法で他の歴史的記録との照合を進め、古代から中世にかけての太陽活動の全容解明を目指すとしている。定家の日記が、現代科学と結びついて歴史の謎を解く鍵となる、興味深い事例となった。

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