ネコがエサを残す謎を解明 岩手大学研究、食欲の鍵は「匂いの変化」にあり
ネコがごはんを残す理由 岩手大が研究、鍵は匂いの変化

ネコの食欲減退の謎に迫る 岩手大学が「匂いの変化」が鍵と発表

多くの飼い主が抱える疑問――「なぜうちのネコはごはんを残すのか?」。この謎に岩手大学の研究グループが科学的に挑み、その原因がエサの匂いの変化にあることを明らかにした。この研究成果は、ペットの栄養管理や行動理解に新たな知見をもたらすものとして注目を集めている。

実験で明らかになった食欲の変化パターン

研究を行ったのは、岩手大学農学部の宮崎雅雄教授と、大学院総合科学研究科の高橋巧さん(2025年度まで在籍)を中心とするグループ。彼らは年齢や性別が異なる12匹のネコを対象に、緻密な実験を実施した。

実験では、10分間エサを与え、その後10分間は空の皿を置くというサイクルを6回繰り返す方法を採用。この過程で、エサの種類を変える場合と変えない場合のネコの食欲変化を詳細に観察した。

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同じエサでは食欲減退、変化で回復

実験結果は興味深い傾向を示した。同じエサを与え続けた場合、ネコたちの食べる量は回を追うごとに明確に減少していった。一方、6回すべてで異なるエサを与えた場合は、この食欲の減退が緩やかになったという。

さらに注目すべきは、5回続けて同じエサを与えた後、6回目に別のエサに切り替えた実験だ。この場合、ネコたちの食べる量が顕著に回復することが確認された。一見すると「味の変化」が食欲を刺激しているように思えるが、研究グループは別の要因に着目した。

鍵は「匂い」にあり

宮崎教授らのグループが注目したのは、エサの「匂い」の変化だ。実験で使用されたエサは、上下2層構造の特殊な容器に入れられており、見た目や味は同じでも、匂いの成分を変化させることが可能だった。

この装置を用いた追加実験で、エサの見た目や味を変えずに匂いだけを変化させた場合でも、ネコの食欲が回復することが判明。つまり、ネコがエサを残す主な原因は「飽き」ではなく、「匂いのマンネリ化」にある可能性が強まった。

研究の意義と今後の展望

この発見は、家庭でネコを飼育する際の実用的な知見として役立つ。飼い主はエサの種類を頻繁に変えなくても、匂いの特性が異なるエサをローテーションさせることで、ペットの食欲を維持できる可能性がある。

研究グループは「ネコの嗅覚は人間よりもはるかに敏感で、匂いの変化が食欲に直接影響を与えることが分かった」と説明。今後は、どのような匂いの特性が特に食欲を刺激するのか、さらに詳細な研究を進める方針だ。

この研究は、人間とペットのより良い共生関係を築くための科学的基盤を提供するものとして、動物行動学や獣医学の分野でも評価されている。

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