愛知・碧南火力発電所に巨大アンモニアタンク建設、ゲル型でCO2削減目指す
碧南火力に巨大アンモニアタンク、ゲル型でCO2削減

愛知・碧南火力発電所に巨大アンモニアタンク、ゲル型でCO2削減へ

愛知県碧南市にあるJERA碧南火力発電所で、アンモニアを貯蔵する巨大タンクの建設が進んでいる。このタンクは、高さ約40メートル、直径約60メートルと巨大で、モンゴルの草原に広がる遊牧民の移動式住居「ゲル」に似た形状をしている。JERAは2026年2月、報道陣向けにタンク4基の建設状況を公開し、1基はほぼ完成していることを明らかにした。

アンモニア利用でCO2排出削減を目指す

アンモニアは燃焼時に二酸化炭素(CO2)を出さない特徴があり、燃料を石炭からアンモニアに置き換えることで、CO2排出量の削減が期待される。JERAはこの技術に巨額投資を決定し、2029年度中に石炭燃料の20%をアンモニアで代替する計画を立てている。碧南火力発電所の4号機での運転を目指し、混燃によるCO2削減効果は約2年前の実証実験で既に確認済みだ。

アンモニアはマイナス33度に冷やされ液化した状態で、海外から専用船で運ばれてくる。船が到着した場所からタンクまで、約4キロをパイプラインで接続する。タンク1基で4万トンの貯蔵が可能で、当面は米ルイジアナ州のアンモニア製造拠点から年間約50万トンを調達する予定だ。また、豊田自動織機や日本ガイシの工場向け燃料として供給する計画もある。

安全対策と将来展望

将来的には、JERAは石炭に頼らずアンモニアだけで発電する目標を掲げている。しかし、アンモニアは無色透明で強い刺激があり、劇物に指定されているため、大量吸引が呼吸困難などを招くリスクもある。不測の事態に対応するため、JERAは安全設備の強化を進めており、アンモニア漏れに備えた検知器や監視カメラの設置を計画している。

消防、警察、海上保安庁などとの共同訓練も想定され、碧南火力発電所長の坂充貴さん(55)は「アンモニアを大量に扱うことになる。これまで以上に安全対策を上積みする」と語っている。この取り組みは、エネルギー技術の革新として注目を集めており、持続可能な発電方法への転換を後押しする可能性がある。