日本将棋連盟は30日、タイトル戦に出場する対局者が妊娠・出産する場合の対局の在り方について、1月から討議してきた「公式戦番勝負対局規定検討委員会」の最終答申の内容を発表した。旧規定で定めた産前・産後に一律の出場禁止期間は設けず、柔軟に対応する制度設計が適当とされた。
背景と経緯
連盟は昨年4月に「産前6週・産後8週の期間とタイトル戦の日程が重なった場合は対局者が変更される」ことなどを定める新規定を施行した。これに対し、一昨年の出産前後に休場し、タイトル戦で不戦敗が生じた福間香奈女流五冠(34)が昨年12月、規定の見直しなどを求めて連盟に要望書を提出。連盟は謝罪し、規定の該当部分を削除していた。
最終答申の内容
最終答申は、3月末に発表した中間報告を基本的に踏襲するもので、以下のような提言が含まれている。
- 一律の出場禁止規定は設けず、柔軟に決定する。産後6週は出場制限期間とする。
- 日程調整の申告について専用窓口を設け、妊娠14週までに行う。
- 椅子での対局、和装ではなく洋装での対局など、配慮を行う。
妊娠・出産したタイトル保持者や挑戦権獲得者が、調整したもののタイトル戦出場がかなわなかった場合については、翌期に「特別の地位を付与することを検討することが望まれる」といった表現にとどまった。翌期に挑戦者決定戦から出場する権利を得られるかどうかや、金銭の補償などについては各主催者との協議で決めるとした。
検討委員会の構成
検討委員会は、互選によって委員長となった伊丹俊彦氏(弁護士、連盟非常勤理事)、安達知子氏(総合母子保健センター愛育病院名誉院長)、倉元健児氏(元囲碁・将棋チャンネル社長)、津江章二氏(元共同通信社編集委員)、中川洋子氏(弁護士)、林逸子氏(日本女子プロ将棋協会業務執行理事)、上田初美女流五段、岩根忍女流三段、内山あや女流二段の9人。連盟の事務局担当者は、常務理事の糸谷哲郎九段が務めた。糸谷九段は現在、藤井聡太名人に挑戦している名人戦七番勝負が進行中である。



