福島沿岸部、地震注意情報で観光客の安全確保に奔走 津波避難マップの掲示や丁寧な説明で不安払拭
福島沿岸部、地震注意情報で観光客の安全確保に奔走

福島県沿岸部、地震注意情報で観光客の安全確保に全力

北海道・三陸沖後発地震注意情報の発表から一夜明けた21日、福島県内の沿岸地域では、さらなる地震発生の可能性を想定した備えが急ピッチで進められた。現在、大型観光キャンペーン「ふくしまデスティネーションキャンペーン(DC)」の真っ最中であるため、観光施設や宿泊施設は、訪れる観光客の安全確保を最優先に、さまざまな対策を徹底している状況だ。

店頭に津波避難マップを掲示、山田店長の決意

相馬市の浜の駅松川浦では、地元の海産物「常磐もの」などを販売する店舗が、開店前から営業の有無を問い合わせる電話が複数かかってくるなど、緊張感が漂う。山田豊店長(72)は、地震注意情報を受けて、店内の各所に津波避難マップを貼り出すなどの対策を実施。ふくしまDCが始まった今月は、来店客数が昨年比で約1割増加していたが、この日は「お客さんの出足が明らかに鈍い」と実感する。

山田店長は、春の大型連休への期待を胸に、店舗の増築で駐車場を拡大するなど準備を進めてきただけに、「影響が長引かないよう祈るしかない」と語り、複雑な心境を明かした。また、市内の食堂では、県外からの団体客25人の利用がキャンセルになるなど、経済的な影響も表面化し始めている。

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ホテル高木屋、被災経験を踏まえた丁寧な対応

海岸から直線距離で約200メートルに位置するいわき市久之浜町のホテル高木屋では、21日正午時点でキャンセルなどの相談は寄せられていないものの、高木重行社長(69)は「再び大きな地震が起きたら、キャンセルが発生するかもしれない」と、大型連休への波及を懸念する。

このホテルは、東日本大震災の津波で被災した経験から、海抜約11メートルの地点に再建されており、防災意識が特に高い。宿泊者に対しては、海岸沿いの防潮堤や防災緑地の整備状況、高台の避難場所への経路を詳しく説明するなど、安心感の提供に力を注ぐ方針だ。高木社長は「見えない不安は完全には取り除けないが、丁寧な説明を通じて、宿泊者に寄り添いたい」と強調した。

イベントへの影響も懸念、復興祈念公園の開園式は調整中

地震注意情報の影響は、沿岸部で計画されていたイベントにも及ぶ可能性が出てきた。国や県などは、25日に予定されている県復興祈念公園(双葉町、浪江町)の開園式について、延期や中止を含めた調整を開始した。この公園は、東日本大震災の記憶と教訓を後世に伝えることを目的に、津波被害を受けた両町にまたがる沿岸地域に整備されたもので、午前11時からの式典と午後1時の開園が計画されていた。

関係者は、安全を最優先に判断を下すとともに、観光客や地域住民への情報提供を迅速に行うことで、混乱を最小限に抑えようとしている。福島県全体が、自然災害への備えと観光振興の両立に、真剣に取り組む姿が浮き彫りとなった一日だった。

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