福島・南相馬市が原発復興プランでイラスト無断使用、イラストレーターから267万円の賠償請求受ける
福島・南相馬市が復興プランでイラスト無断使用、267万円請求

福島・南相馬市が原発復興プランでイラスト無断使用、イラストレーターから267万円の賠償請求受ける

福島県南相馬市は2026年2月25日、東京電力福島第一原発事故後の復興計画において、インターネットからダウンロードしたイラストを無断使用した問題で、イラストレーターの代理人弁護士から損害賠償請求を受けたと発表しました。

市によると、請求は2026年1月20日に受領され、イラストレーターが著作権を保有する人物のイラストなど合計3点が、四つの復興関連資料に無断で掲載されていたとして、267万3千円の支払いを求める通知が送付されました

無断使用の経緯と市の対応

問題が発覚したのは、2017年に作成された「小高復興アクション・プラン」です。このプランは、原発事故で避難指示が出ていた同市小高区の指示解除に伴い策定されたもので、地域の再生を目指す重要な文書でした。

市が当時資料を作成した職員に聞き取りを行ったところ、イラストはインターネット上からダウンロードしたものであり、使用料が発生する認識は全くなかったと回答したといいます。職員は善意で作業を行ったものの、著作権法に関する知識が不足していたことが背景にあります。

市は事態を受けて直ちに弁護士に相談し、故意ではないものの法令違反が認められるため、交渉による和解を勧められました。これを受け、市は今後、損害賠償額についてイラストレーター側と交渉を進める方針です。支払いに必要な予算案は、新年度の市議会に上程する予定となっています。

迅速な対応と今後の課題

南相馬市は、無断使用が判明した該当資料を、2026年1月中にすべてインターネット上から削除しました。これにより、さらなる著作権侵害の拡大を防ぐ措置を講じています。

この事例は、公共機関における著作権意識の向上が急務であることを浮き彫りにしました。特に原発事故からの復興という敏感なテーマに関連する文書では、適切な権利処理が不可欠です。市は今後、職員向けの研修やガイドラインの整備を通じて、再発防止に努めることが期待されます。

福島県では、原発事故からの復興が着実に進む中、地域の活性化を図る様々なプロジェクトが展開されています。しかし、今回のような法的な問題が生じると、復興の歩みに遅れが生じる可能性も否定できません。南相馬市の対応が、他の自治体や組織にとっての教訓となるでしょう。