千葉県内企業の賃金改善意向、過去最高の58%に到達
帝国データバンク千葉支店が23日に発表した2026年度の賃金動向調査によると、千葉県内企業のうち基本給や賞与・一時金の引き上げなど「賃金改善」を行う見込みの企業が前年度比1.4ポイント増の58%に上りました。これは2007年度の調査開始以来、過去最高の数値となっています。
調査の詳細と具体的な内訳
調査は2026年1月19日から31日にかけて実施され、県内の312社が回答しました。具体的な賃金改善の方法としては、基本給を引き上げる「ベースアップ(ベア)」によって行う企業が51%を占めました。前年度に比べ0.4ポイント減少したものの、賃上げムードの広がりを受けて3年連続で50%を超える高い水準を維持しています。
一方、「賞与・一時金」の引き上げを予定する企業は1.3ポイント増の28.5%でした。この結果は、企業が一時的な報酬増加だけでなく、恒久的な賃上げにも積極的に取り組んでいることを示唆しています。
賃金改善の背景と企業の思惑
賃金改善を行う理由については、複数回答が可能な形式で調査が行われました。最も多かった回答は「労働力の定着・確保」で、75.7%の企業が挙げています。特にベースアップは恒久的な賃上げとなるため、多くの原資が必要で企業経営に負担がかかりますが、優秀な人材を確保するための必要不可欠な投資として認識されつつあります。
また、物価高騰の影響も大きく、「従業員の生活を支えるため」が63%、「物価動向」が51.4%と、多くの企業が従業員の生活環境への配慮を理由に挙げました。さらに、「自社の業績拡大」を賃金改善の理由とした企業も29.8%あり、経営状況の好転が賃上げに結びついているケースも見受けられます。
持続的な賃金改善に向けた課題
帝国データバンク千葉支店は調査結果を分析し、「物価高が続く中、従業員の生活を支える必要性も賃金の押し上げ要因となっている」と指摘しました。同時に、企業が持続的な賃金改善を行うためには、「付加価値の拡大と適切な価格転嫁による利益確保がより一層重要となりそうだ」と述べています。
この分析は、単なるコスト増としての賃上げではなく、企業の成長戦略と連動した持続可能な賃金改善の必要性を強調するものです。千葉県内企業は、労働市場の競争激化と物価上昇という二つの圧力に直面しながら、人材確保と経営健全性のバランスを模索している状況が浮き彫りになりました。



