傷病手当金が5年で1.6倍に急増、メンタルヘルス不調が職場の深刻な課題に
傷病手当金5年で1.6倍増、メンタル不調が職場課題に

傷病手当金が5年で1.6倍に急増、メンタルヘルス不調が職場の深刻な課題に

働く人の「こころの健康」確保が、多くの職場で切実な課題となっています。けがや病気で働けなくなった際に健康保険から支給される「傷病手当金」の額が増え続けており、直近の2023年度には6千億円を超え、5年間で1.6倍に膨らみました。この急増の背景には、メンタルヘルス不調を抱える人の広がりがあり、職場環境の改善が求められています。

傷病手当金の支給額が急増、2023年度は6千億円超

傷病手当金は、仕事を休んだ日数に応じて健康保険から支給されるお金で、働いていたときの給料に基づく標準報酬月額をもとに、最大で通算1年6カ月受け取ることができます。大企業向けの健康保険組合、中小企業向けの協会けんぽ、公務員向けの共済組合などの支給額を合計すると、2023年度は約6100億円に達しました。これは5年前の2018年度から6割増加し、10年前と比較すると倍増した計算です。

支給額の増加は、人間関係の悩みや強いストレスなどにより、こころの健康を損なう人が増えていることが一因です。職場でのプレッシャーや長時間労働がメンタルヘルス不調を引き起こし、結果として傷病手当金の支給が増加する悪循環が生じています。

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メンタルヘルス不調が支給件数の39%を占める

協会けんぽが2024年度に行った調査によると、傷病手当金の支給件数全体のうち、メンタルヘルス不調など「精神及び行動の障害」が39%を占め、最も多くなっています。内訳は男性36%、女性43%で、年々増加傾向にあります。次いで、がんなどの「新生物」が多く、精神障害が職場の健康問題の中心となっていることが浮き彫りになりました。

このデータは、職場でのストレス管理やメンタルヘルス対策の重要性を改めて示しています。企業は従業員のこころの健康を守るため、カウンセリングサービスの導入や労働環境の見直しなど、積極的な取り組みが求められています。

職場での「こころの健康」確保が緊急の課題に

傷病手当金の増加は、単なる経済的な問題ではなく、社会全体の健康課題を反映しています。職場でのメンタルヘルス不調が増えることで、生産性の低下や人材の喪失にもつながり、企業経営にも影響を及ぼします。政府や企業は、以下のような対策を強化する必要があります。

  • ストレスチェックの義務化と定期的な実施
  • メンタルヘルス研修の充実と従業員への啓発活動
  • 柔軟な働き方の導入によるワークライフバランスの改善
  • 専門家によるカウンセリングやサポート体制の整備

これらの取り組みを通じて、職場環境を改善し、傷病手当金の増加に歯止めをかけることが期待されます。働く人々が安心して働ける社会の実現に向け、官民一体となった対策が急務です。

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