アマゾン配達員の報酬体系変更が反発で延期、2026年3月に先送り
通販大手アマゾンが、荷物を運ぶ配達員に対する報酬単価の変更時期を約2カ月延期することを決定した。当初は2026年4月5日からの実施を予定していたが、配達員から「一方的だ」との反発が相次いだため、新たな契約開始を同年3月26日まで先送りする方針を示した。
一方的な通知に配達員から強い不満
アマゾンは1月、「Hubデリバリー」と呼ばれる働き方で業務に従事する配達員に対し、メールなどで報酬単価の変更を通知していた。この変更は4月5日から適用され、同意しない場合は契約終了となる可能性があると伝えられていた。ネット上では「許容できない」や「あんまりだ」といった批判的な声が多数上がり、朝日新聞も3月中旬にこの問題を報じていた。
変更内容には、報酬単価の見直しに加え、1週間あたりの稼働日数を4日以上とする要件も含まれていた。配達員の間では、減額となるケースが多いことへの懸念が広がり、「パートナー」と位置づけられながらも対等な関係が築けていないとの指摘も出ていた。
延期の理由は協議期間の確保
3月下旬に配達員に届いたアマゾン側のメールによると、新しい契約の開始は5月31日から3月26日へと延期された。延期の理由として、「質問や協議の希望に対応させるため」と説明。同意が得られなくても契約が終了することはないとし、協議がまとまるまで「5月31日以降の新規発注を保留する」としている。
報酬単価の変更背景については、「日本国内では地域ごとに物価水準や配送環境が大きく異なる」ことを挙げ、従来の報酬体系ではこれらの地域差を適切に反映できていなかったと主張。多くの経済的・環境的要因を分析した上での見直しだとしているが、具体的な金額算定方法は明らかにされていない。
法的問題も浮上、中小受託取引適正化法が適用される可能性
この問題では、2026年1月に施行された中小受託取引適正化法(旧下請法)が関連する可能性がある。同法は、仕事を受ける側が負担する燃料費や労務費などのコスト増加を考慮せず、発注者側が価格を一方的に決めることを禁じている。アマゾンへの取材申し込みに対しては、回答が得られなかったという。
契約に関する問い合わせや協議の希望については、アマゾン側がオンライン上に窓口を設置し、「引き続き真摯に対応していく」と表明。ただし、メールや電話、担当者への直接の問い合わせには対応できないとしている。
近畿地方で配達員として働く人物は、「『パートナー』と称されながらも、実際には対等な関係が築けていない」と不満を漏らしており、今回の延期が実質的な改善につながるかどうかが注目される。



