看護師登山家・渡邊直子氏、初著書『エベレストは居酒屋です』出版 13日に記念トークイベント
渡邊直子氏『エベレストは居酒屋です』出版 13日トークイベント (09.03.2026)

看護師登山家・渡邊直子氏、初の著書『エベレストは居酒屋です』を出版 13日に記念トークイベント開催

日本人女性として初めて、かつ唯一、世界の8000メートル峰14座すべての登頂を成し遂げた看護師で登山家の渡邊直子さん(44)が、自身の冒険を初めて振り返る著書『エベレストは居酒屋です』を出版する。発売日は11日で、出版を記念して東京・代官山の蔦屋書店で13日にトークイベントが開催される。

パンチのあるタイトルとほのぼのタッチの表紙が話題

地球上で最も高く遠い場所であるエベレストと、誰もが気軽に訪れる身近な居酒屋を組み合わせたインパクトのあるタイトルと、優しいイラストの表紙が注目を集めている。渡邊さんは「山に興味がない人でも目を引く、部屋に飾ってもお洒落なデザインにしてほしいとイラストレーターさんに依頼しました。かわいい表紙になって嬉しいです」と喜びを語った。

渡邊さんは日本人で3人目、女性では初の「14サミッター」として知られる。エベレストを含む標高8000メートル以上の高峰14座すべての山頂に立った登山家だ。看護師として働きながら資金を貯め、ヒマラヤへの遠征を重ねてきた。

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デスゾーンでの過酷な経験と看護師の知識が生かされた冒険

ヒマラヤの8000メートル峰は、雪と氷に閉ざされ、酸素濃度が地表の3分の1と薄い「デスゾーン(死の領域)」と呼ばれる危険な地域だ。多くの登山家が命を落としてきた場所である。渡邊さんも雪崩や高山病による精神錯乱など、死を意識する過酷な経験をしてきたが、看護師としての知識と現地のシェルパ(案内人)たちとの強い絆で乗り越えてきた。

世間からは大変な冒険の場と見られるヒマラヤが、渡邊さんにとっては「仕事終わりに一杯やる居酒屋のような場所」だという。日本社会で人間関係に息苦しさを感じる時でも、ヒマラヤの大自然の中でシェルパたちと過ごすことで「素直な自分に戻れる」と著書で記している。

著書は体験談とエッセーを融合 登山をしない人にも響く内容

本書には、最後のシシャパンマ登頂で14サミッターを達成した時の意外なエピソード、デスゾーンでの生死の境目の体験、看護師の経験を生かしたリスクマネジメントなど、山での貴重な体験談やヒマラヤの写真が豊富に収録されている。しかし、単なるドキュメンタリーではなく、人間関係の考え方や自己を見つめるエッセーとして、登山をしない人にも興味深い内容になっている。

渡邊さんは「心を豊かにできる、自分だけのほっとできる居場所を作ってほしい。私にとっては、それが8000メートル峰遠征でした」というテーマで、昨夏頃から執筆を進めてきた。14サミッターの快挙についても「続けていたら、達成してしまった。それだけのこと」と語り、あくまで通過点と位置づけている。

記録達成後も活動継続 ヒマラヤと日本をつなぐ取り組み

記録達成後も渡邊さんのヒマラヤへの情熱は衰えず、現在は8000メートル峰に登りたい人へのサポートやヒマラヤトレッキングの主催など、ヒマラヤと日本をつなぐ活動を続けている。13日のトークイベントでは「みなさんの凝り固まった概念を覆して、あと一歩踏み出すための背中を押せたらいいなと思っています」と意気込みを語った。

著書は四六判256ページ、税込み2000円。トークイベントは13日19時から代官山蔦屋書店3号館で開催され、来店参加は2200円、オンライン参加は1650円、書籍セット券は3650円(いずれも税込み)で、運営サイト「Event Manager」から申し込める。

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