刑事のスマホにもニセ警察詐欺電話 静岡県警の体験談で手口を暴露
刑事のスマホにニセ警察詐欺電話 静岡県警が手口を暴露

刑事のスマホにもニセ警察詐欺電話 静岡県警の体験談で手口を暴露

被害が後を絶たない特殊詐欺の中でも、警察官を装う「ニセ警察詐欺」が巧妙化している。静岡県警清水署に勤務する刑事のスマートフォンに今月上旬、国際電話から「大阪府警の捜査員」を名乗る人物から電話がかかってきた。刑事は身分を隠して対応を続けた結果、詐欺グループの手口が次々と明らかになった。

正確な個人情報で刑事を驚かせる

9日午前10時半ごろ、刑事のスマホに「+1」から始まる国際電話番号が表示された。応答すると、大阪府警生活安全課の捜査員を名乗る「イノウエ」という女性の声が聞こえてきた。20~30代くらいの声で、流ちょうな標準語を話していたという。

驚くべきことに、この女性は刑事の氏名と住所を正確に伝えてきた。刑事は「どこで情報が漏れたんだ」と強い衝撃を受けた。女性は「捜査中の事件で、あなた名義の銀行カードが発見された。詐欺事件への関与を疑っているが、心当たりはあるか」と問い詰めてきた。

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マニュアルをめくる音と複数のかけ子

刑事は電話の内容から、典型的なニセ警察詐欺だと瞬時に判断した。しかし、電話の向こうではマニュアルとみられる紙をめくる音がしきりに聞こえ、背景には別の人物が電話をかけているような声も混じっていた。どうやら、かけ子はまだ不慣れなようだった。

女性は「事情聴取のため大阪府警本部に来られるか」と尋ね、刑事が仕事で忙しいと答えると、「電話での在宅聴取で対応する」と言って一旦電話を切った。刑事は上司に報告し、午後は2人で対応することにした。

脅しの手口とZoom利用の提案

午後1時、再び電話がかかってくると、今度は「大阪府警の別の捜査員」を名乗る男性に引き継がれた。男性は「犯人はまだ捕まっておらず、捜査は極秘だ。暴力団関係者の可能性もあり、身内に危険が及ぶかもしれない」と脅しをかけてきた

刑事が「聴取のために大阪に行く」と受け入れると、男性は「電話だと1時間で終わる。無駄足だ」と頑なに拒否。代わりに「この後Zoomで聴取する」と提案してきた。ここで刑事はとうとう自分の身分を明かした。すると沈黙が続き、「どこの警察か言ってみろ」と聞かれた後、電話が切れた。

急増する特殊詐欺被害

静岡県警によると、県内の特殊詐欺被害は2024年に379件、被害額は約15億5000万円だった。しかし2025年には452件に増加し、被害額は約30億2000万円(暫定値)と約2倍に跳ね上がっている

刑事はZoomには応じなかったが、警察がテレビ通話で事情聴取をしたり、非対面で警察手帳を見せたりすることは通常あり得ないと警鐘を鳴らす。近年は末尾が「0110」の番号を装ったニセ電話も増加しており、「まずは相手が名乗った警察署を確認し、一度公式な番号にかけ直してほしい」と呼びかけている。

詐欺対策のポイント

  • 警察がテレビ通話(Zoomなど)で事情聴取を行うことは基本的にない
  • 非対面で警察手帳を見せることは通常行われない
  • 不審な電話がかかってきたら、相手が名乗った警察署の公式番号にかけ直して確認する
  • 個人情報を正確に伝えられても、すぐに信用しないことが重要
  • 「極秘捜査」「身内の危険」などの脅し文句に注意する

警察官自身が詐欺の標的になる事例は珍しくないが、今回の刑事の体験談は詐欺グループの最新の手口を浮き彫りにした。巧妙化する詐欺から身を守るためには、常に警戒心を持ち、不審な点があればすぐに警察や金融機関に相談することが求められている。

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