朝日新聞が行った全国の保護者を対象とした性教育に関するアンケート調査で、回答者の9割近くが学校での性教育のさらなる充実を望んでいることが明らかになった。また、学習指導要領に定められた「はどめ規定」については、7割が不要と回答した。
性教育の現状と保護者の意識
約10年に一度改訂される国の学習指導要領の見直しが進む中、朝日新聞は2025年1月から3月にかけて、各都道府県と指定都市のPTA組織の協力を得て、PTA会員や役員を務める保護者を対象にアンケートを実施。37都道府県から2421件の回答を得た。
「学校にもっと性教育に取り組んでほしいと思いますか」という質問に対し、「そう思う」と答えたのは全体の88%にあたる2124件に上った。その理由(複数回答)として、「性や身体に関することは人生にとって大切だから」が64%(1366件)で最多。次いで「インターネットで得られる知識は偏っていそうだから」が49%(1048件)、「家庭で正しい知識を教えられる自信がないから」が47%(996件)と続いた。
一方、「そう思わない」と回答した297件の理由(複数回答)では、「今の学校の教育内容で十分だから」が40%(119件)で最も多く、「性はプライベートなテーマで、家庭で教えるべきだから」が26%(78件)、「成長に対して、早すぎる内容を教えられるのではないかと不安だから」が25%(73件)だった。
「はどめ規定」に対する保護者の見解
「はどめ規定」とは、小中学校の学習指導要領に記載された「妊娠の経過は取り扱わない」(中学校1年生の保健体育)などの規定を指す。これらの規定が性教育の事実上の障壁となっているとの指摘がある。
アンケートでは、回答者の71%にあたる1729件が「はどめ規定は不要だと思う」と回答。さらに、現在行われている学習指導要領の改訂議論で、この規定についても議論すべきかとの問いには、94%(2267件)が「そう思う」と答えた。
文部科学省は2023年度から、性暴力の加害者にも被害者にもさせないことを目的とした「生命の安全教育」を全国で推進しているが、実施している学校は一部にとどまっている。
専門家の見解と今後の課題
性教育の歴史に詳しい教育学者の堀川修平氏は、学校現場では保護者の意向が不明なため性教育に積極的に取り組みにくい状況にあると指摘。その上で、2000件を超える回答を集めた今回の調査には意義があると述べている。
保護者からは、学校での性教育充実を求める声が多数寄せられる一方、家庭での教育の重要性や、発達段階に応じた適切な内容への懸念も見られた。今後の学習指導要領改訂において、はどめ規定の見直しを含めた議論が求められる。



