2024年にノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の代表委員を務める箕牧智之さん(84)が、地方組織である広島県原爆被害者団体協議会(県被団協)の理事長を退任する意向であることが24日、関係者への取材で明らかになった。体調不良が理由とされている。被爆者運動の象徴的存在である被団協の代表委員については、当面継続する方針だ。
退任の経緯と後任候補
県被団協理事長の退任は、30日に開催される定期総会で正式に決定される見通し。後任には、現在副理事長を務める原田浩さん(86)の名前が挙がっている。原田さんは広島平和記念資料館の元館長であり、被爆者運動に深く関わってきた人物だ。
箕牧さんの被爆体験と歩み
箕牧さんは3歳の時、広島駅で働く父親を探しに行き、入市被爆した。2005年には地元の原爆被害者の会を任され、2021年11月に故坪井直さんの後任として県被団協理事長に就任。2022年6月には被団協の代表委員に選出された。現在、代表委員は箕牧さんを含めて3人体制となっている。
ノーベル平和賞受賞の瞬間
2024年10月、被団協のノーベル平和賞受賞が発表された際、箕牧さんは記者会見で「うそみたい」と語り、自分の頬をつねる仕草を見せ、多くの人の印象に残った。同年12月にはノルウェーのオスロで行われた授賞式に出席し、賞状を受け取っている。
箕牧さんの体調不良による退任は、被爆者運動に一つの転機をもたらす可能性がある。しかし、彼が被団協の代表委員として引き続き活動することは、運動の継続性を保つ上で重要な意味を持つ。今後の動向が注目される。



