東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の発生から14年が経過した。当時の記憶を風化させず、犠牲となった人々への祈りをささげる場として、県復興祈念公園が双葉町と浪江町にまたがる沿岸部に開園した。本県が経験した未曽有の大地震と津波、原子力災害の記憶を後世に伝え、復興へと歩む姿を映し続ける場所としなければならない。
公園の基本理念と施設概要
公園の基本理念は「生命をいたみ、事実をつたえ、縁(よすが)をつなぎ、息吹よみがえる」である。東京ドーム約10個分に相当する46.4ヘクタールの広大な敷地には、七つのエリアが設けられた。このうち、国が整備した追悼・祈念施設には、津波の最大高さ想定に基づく高さ16.5メートルの丘が広がり、第一原発など周辺を望む献花台が設置された。
複合災害の象徴的な場所
公園がある地域は、震災の津波による甚大な被害と原発事故による住民避難が重なった場所であり、複合災害に見舞われた本県を象徴する。犠牲者に思いを寄せることができる場所として、県民はもちろん、多くの人に訪れてほしい。
被災の痕跡を保存
津波で被災した住宅などを保存した双葉町の中野地区集落では、残った建物に最低限の補修を施し、震災当時の様子を体感できるようにした。一方、家屋が全て流失した浪江町の両竹地区集落では、かつて住宅があった場所に盛り土を施し、人々の営みがあったことを示している。また、多目的広場なども整備された。
三つ目の復興祈念公園
国と県が整備する震災の復興祈念公園としては、宮城県の石巻南浜津、岩手県の高田松原に続き、三つ目となる。本県は原発事故の被災地であり、廃炉作業や住民避難が続いている点で、他の二県とは様相が異なる。
今後の整備方針
県は、農地の回復など復興によってもたらされる公園からの眺望の変化や、来訪者の増加によるイベント機能の強化などを、今後の整備に反映させていく方針だ。集落跡など被害の記憶をたどれる場所の保存を徹底しつつ、その時々の復興の状況を理解しやすい工夫を凝らし、本県ならではの公園とすることが重要である。
利活用促進策
県は今後、観光団体などと連携し、公園の利活用促進策を協議する。最優先すべきは、震災と原発事故を経験した人々、その後生まれた子どもたち、そして本県に思いを寄せる人々のそれぞれに、実りある時間を提供することだ。
隣接施設との連携
公園に隣接する東日本大震災・原子力災害伝承館は、来館者のフィールドワークプログラムに公園を組み込む方向で検討している。こうした隣接施設や関係団体との連携を通じて、公園の価値を高めていく必要がある。



